THE NOVEMBERS : 小林祐介インタビュー

2018年5月16日にNEW EP「TODAY」をリリースしたばかりのTHE NOVEMBERS : 小林祐介(Vocal & Guitar)氏の弊社限定インタビューを公開。

また、新譜のリリース&小林氏インタビューを記念し、THE NOVEMBERSとの限定コラボレーション・アイテムの発売も決定。

Interview. YUSUKE KOBAYASHI(THE NOVEMBERS) Interviewer. HIROMI ENDO(SIDEMILITIAinc.代表)

 

・THE NOVEMBERS official site

・THE NOVEMBERS official Twitter

・THE NOVEMBERS official Facebook

・THE NOVEMBERS official Instagram

・小林祐介 official Twitter

 

● インタビューとしてはお久しぶりになります。今回は新譜「TODAY」をリリースしたタイミングとなりますが、もう少し過去に遡ってスタートしたいと思います。

既に先日のライヴ直後にも色々と楽屋でお話はさせて頂きましたが、小林さんとのインタビューは毎回楽しいです。時間が合わずメールでのインタビューは残念ですが今回も何卒宜しくお願い致します。

 

  YUSUKE KOBAYASHI

よろしくお願いします。先日はライブにも来て頂いてありがとうございました。

 

● 先ずは前作の初となる2枚組ベストアルバム「Before Today」の事からお聞きします。

これは以前からリリース直後の電話などで小林さんやギタリストの「ケンゴマツモト」さんにもお伝えしてる事ですが、『何故にベスト盤をリリースしたのか?』この点です。

私自身はベスト盤を否定するつもりも無いですし、実際にこの「Before Today」も全曲リマスタリングを行い、2曲新たなに録音し直されたされたバージョンが収録しており、

作品としては素晴らしいと思っております。実際にお勧めもしております。ミュージシャンとしてベスト盤をリリースする理由も分かってます。

ですが、私個人としては全てのベスト盤に関して普段はリスニングする事は正直余り有りません。

ベスト盤は、旅行の際とイベントでDJする際に重宝する音源と解釈しております。

個人的な捉え方としては「バイキング」に近い感覚です。有り難い/楽しいと云う感覚に近いです。

試食までとは言いませんが、バンドの全体像は理解しても本格的に集中してそのメニューを味わえない/作品としては理解出来てない感覚が有ります。

その点で個人的なファンとしての勝手な妄想では有りますが、「THE NOVEMBERS」と云うアーティストには「ライヴでのアンコールと作品としてのベスト盤が似合わない/らしくない」と捉えていたりします(笑み)

ファンの方には否定的って誤解される恐れも有る質問ですが、この意見を踏まえて御本人はどう捉えておりますか?

 

  YUSUKE KOBAYASHI

ベスト盤に関してはいくつか作る目的がありました。

これまでに作品をいくつも発表し、楽曲を何度もステージで演奏していく中で、そこに新たに意味や価値が芽生えていることに気づきました。

曲を作った直後にはわからなかった曲の個性や、機能、精神性が立ち上がってきた、というか。

何より、曲に対するお客さんのリアクションをステージから見続ける中で、それらに気づかされることが多かったのかもしれないです。

その夜の幕開けにふさわしい曲、高揚感や衝動感のピークを演出する曲、じっくりと自らの世界に引き込んでくれる曲、ステージを締めくくるに相応しい曲、など、作品をただリリースするだけではわからなかったことが沢山あるんです。

僕たち4人が演奏を止めている間、「THE NOVEMBERS」の音楽はどこでも演奏されていません。

CDや音源によって「再現」されているだけです。

その「再現」という体験の中に、前述した意味や価値を盛り込んだ作品を作ろうと考えました。

それが「Before Today」です。

新しい曲ではそれは出来ません。

これまでのキャリアで作った曲たちを、一度全て同じテーブルに並べて、ライブのセットリストを組む感覚で再構築する。

同じ音源でもここまで聴こえ方や感じ方が変わるものか、と驚いたと同時に納得もしました。

ちなみに遠藤さんのことだから「じゃあライブ盤を出せばいいじゃない」と思ってると思うのですが(笑)、その運動の第一歩が「Live sessions at Red Bull Music Studios Tokyo」(※2018年6月現在ツアー「Tour – TODAY -」会場にて限定発売中)なんです。

「Before Today」から「TODAY」を経由し、ガンガンいきますよ(笑)

 

● 先程の質問の続きにもなりますが、その時の電話の際にもお話してた事をもう一つ。

上記の内容を話してた際に、『もうリリースしちゃったので、後は直ぐに新たな音源を発表しないと格好付かないよ!シングルでも良いからそれこそ「BEST」ってタイトルの曲を作ってさ』と盛り上がった件です。

その際、小林さんが覚えてるかどうかは分かりませんが実際に小林さんの口からは『それなら「Today」って曲ですよね!』(笑)とおっしゃった事です。

実際に今回の4曲入りEPのタイトル、そして楽曲としても収録されております。

今作は前作から1年弱でのリリースとなっております。実際に構想/制作から完成までの途中で変化は有ったと思いますが、最初の段階での大きく捉えた青写真はどの様な感じだったのでしょうか?

この後に完成した後の作品としての質問が有りますので、本当に初期段階の時点を教えて下さい。

 

  YUSUKE KOBAYASHI

もちろん覚えてます(笑)

「Before Today」というタイトルを思いついた時点で次のアクションは「TODAY」だと決めていました。

まあ「BEST」のパンチには負けますね(笑)。

実際に「TODAY」は「Before Today」のツアー中に作っていた曲なので、その当時のことなどいろいろ思い出します。

最初の段階での大きく捉えた青写真という意味でいうと…自覚的には無いんですね、これが。

逆説的に言うなら「CHAGE & ASKA」かもしれないです。

『俺はASKAさんじゃないんだから、自分の曲を作ろう』と思い立って曲作りのギアを入れ替えたので(笑)。(※この辺の「CHAGE & ASKA」の件は冗談でも無く、同時期にケンゴマツモトさんからも話が伺ってました(笑)

 

● 今作「TODAY」の件について。先ずは最初データで小林さんに送って貰ったのですが、どうしてもフィジカルの製品として初めて聴かないと作品が分からなくなると勝手に判断して我慢してました(笑み)

なので、ラジオに関してはレーベルから送られて来たサンプル盤に収録されたリード・トラック(みんな急いでる)のみ何度もオンエアした次第です。

正直、今作を初めて聴いた時は全体像が分からなかったです。2013年リリースの4th「zeitgeist」からのお付き合いですが、分からなかったのは初めてでした。

ただ先日のライヴを観た時に個人としてやっと気付いた次第です。

抽象的な表現になりますが、2014年にリリースした5th「Rhapsody in beauty」まで、僕としては毎回「THE NOVEMBERS」が作り上げた/見つけた場所(建物や土地/国)に聴く側を招く作品だったと思います。

そして2016年にリリースした6th「Hallelujah」に関しては、今までは招いてた作品と違い、初めて聴く側を大きな乗り物に乗せて、様々な作り上げた/見つけた場所(建物や土地/国)に連れて行く作品だったと思いました。

だからこそリリース後に『暫くリリースしないでずっとTOURした方が良いよ!』って伝えた筈です。

ベスト盤を挟みましたが、その次の作品が今作です。ライヴ後に気付いたのは今作は招く/連れて行く作品では無く、「THE NOVEMBERS」が現在いる場所や景色を伝えてる作品になったと思います。

手紙や映像でも良いのですが、招く/連れて行くでは無く、あくまでも伝えてる作品だったと。

別の捉え方をすればバンドの「ロードムービー」を観てる感覚にも多少近いかな?と思います。

リリース後の今の御本人の捉え方を教えて下さい。

 

  YUSUKE KOBAYASHI

ああ、その感覚は僕も近いかもしれない。

今作は『いまこの瞬間、目の前にある「もの/こと/目の前にいる他人と自分」』

これが重要なテーマだと思っていて、これまでの「ここではないどこか、いまではないいつか」に馳せる想いのようなものは削ぎ落としていますね。

過去はもう目の前にないし、未来はまだ目の前にない、今だけ、今この瞬間だけ。って感じです。

 

● この作品を作ったからなのかは分かりませんが、最新TOURを観て今までで一番格好良かったです。

先程の「TODAY」の感想に繋がりますが、現状ではステージの立ち位置や大きさ関係無く、最も4人の距離が近い音だったと思います。

それは仲が良くなったとか、逆に悪くなったとか関係無く単純にバンドの音としての4人の距離感です。

だからこそ今はお客さんがいない状態でも同じレベルのライヴを展開出来ると思います。

現状でのバンドの状態はどうでしょうか?リリース前の以前と何か違いを感じますか?

 

  YUSUKE KOBAYASHI

バンドの状態は、いいですよ。

相変わらず課題は山積みだし、思い通りにいかないことの方が多いけど、それを「面白くなってきやがった」と思えるムードがある。

そう思おうとする意思、とも言えるんですけど。何かを良くしていくとき、悪いものや欠点を無くそうと頑張るのも大事なんだけど、一番大事なのはそれを喜びに変えることだったり、目の前にある喜びを見逃さないようにすることだと思うんですよ。

だから、今僕はバンドも音楽も、すごく楽しい。

そしてそれは絶対に自分が出す音に、ステージに、表情に、仕草に出るんです。

100%と言ってもいい。

それを遠藤さんはストレートにキャッチしてくれたのかもしれない。

 

● 次に歌い手としての質問を2つ。

先ずはライヴ時の歌声についてです。ライヴ後などの談笑でお聞きしてる事ですが、インタビューでは聞いてなかったので改めて。

ベスト盤リリース後のTOURは本当に凄かったです。

凄い失礼な表現になりますが、今まではどうしても技術的な歌い方含めてどう聴こえるか?聴こえ方の部分を頭の何処かで考える事によるメリットでありデメリットの部分が有った気もします。

ですが、ベスト盤リリース後のライヴに関しては、真っすぐ裸のままの歌い方になった印象が強く、今まで声としても歌詞としてもライヴでは届きづらかった部分が逆に解消した気がします。

この印象はその時のモードで、今回リリース後にはまた変化するのか?と思いましたが、前回のTOUR同様に最高の歌声で気持ち良く音の中に入っていけました。

この辺はライヴ後に小林さんがステージ上で視界に入ったとお聞きしたので、私がどの様な状態だったかは分かって貰えると思います(笑み)

実際にベスト盤前後のTOURで御本人が大きな変化を感じてるとしたら、どの様な理由で?叉、今自身の歌をどう感じていますか?

 

  YUSUKE KOBAYASHI

遠藤さん、後ろの方でシャーマンみたいな動きしてたから『おお、盛り上がってるなあ』と嬉しかったですよ(笑)。

歌に関しては、正直よくわからないんですよね。

もともと歌うことよりギターを弾くことの方がはるかに好きだったし。

ライブ中も上手く歌えたことよりも、演奏のキメがはまった、とか狙い通りのサウンドが出せた、とかの方が圧倒的に楽しかった。

でも、前回のツアーあたりから、少しずつ歌うことが好きになってきたんですよね。

だからかな。自分が歌っていて気持ちの良い声の出し方とかがわかってきた。

家で一人で歌っている時の感じとか、そういった何の衒いもない自然さは「TODAY」に出てると思うし。

 

● 歌い手として2つ目の質問になります。以前からリリックについての質問やそれに対する気持ちを言及されてるとは思いますが、私としてふと思うのが「リリックに対しての符割」です。

この辺は例えば「大滝詠一」さんなどに代表する日本音楽シーンとして考えても技術的な側面では有りますので、単純に興味が無い可能性/又はその部分を追求する事による伝わり方の障害になる可能性を踏まえてって事も有るかもしれません。

私自身としては「THE NOVEMBERS」の音源に関しては、全体的にストレートな符割だなと感じております。

ですが、「THE NOVEMBERS」のライヴ時に生じるアレンジやグルーヴによる必然的な符割(バージョン)を考えると一概に上記2つの理由が有るとも思えません。

勿論、趣味趣向の問題も有りますが、私はライヴ時のバージョン(符割)を聴く度に、その辺を異常に追求した音源も聴いてみたいと年々大きくなっていたりします。

言い方を変えたら、小林さんのその側面(センス)が一体どんなものになるのか?知りたいし聴いてみたいって思います。

ちょっとニュアンスが伝わったかが心配な質問ですが、この辺はどうお考えですか?

 

  YUSUKE KOBAYASHI

「大滝詠一」さんは本当に素晴らしいですね。

僕は基本的に歌詞を最後に書くのと、音韻よりも言葉の意味を重視しがちだったので、正直符割に関しては頓着のない方でした。

でも、最近はむしろ逆で、音韻や符割を追求する方が楽しくなってきたので、期待していてください(笑)。

 

● 長々となりましたが、最後の質問です。

私としてはそろそろ日本での活動を休止して、1年間位掛けたプロジェクトで海外での活動に移るべきじゃないかな?と思ったりします。

半年は準備し、半年は海外での実際のTOURと云う意味です。

今、行かないと後悔するじゃないか?勿体無いんじゃないか?既に遅い位だと思ってたりします。

海外が待ってるからと云う理由では無く、結果がどうであれ行くべきだと勝手に思っています。

それに対して、日本のファンは待ってるとも思いますし、喜んでくれるとも思います。

翌年の「凱旋TOUR」を楽しみにしてると思います。

実際に国内では全てをしつくしたとは言いませんが、それでも今海外に目を向けないと逆にバンドとして色々な面で消耗するんじゃないかと思います。

海外への活動をしない事により、「THE NOVEMBERS」と云うバンドの寿命を短くする恐れも有る気がします。

実際に海外での反響も年々大きくなってるのは事実だと思いますが、今現在での考えをお聞かせ下さい。

 

  YUSUKE KOBAYASHI

海外には常々行きたいなと思っていたのですが、何かを待っているうちに時間が経ってしまいましたね。

ただ、昔のように海外に対してハードルを高くもっているわけではないので、長い目で見て実現させたいと思ってます。

「いま目の前にいる人」に演奏すると言う意味では日本も海外も差はないので。

むしろ昔は「ここではないどこかの誰か」というつもりで海外に演奏しに行くつもりだったから、上手くいかなかったのかもしれない。

何にせよ、自信だけは売るほどあるので楽しんでやっていきますよ。

 

● 今回もインタビューさせて頂く機会を頂き感謝しております。有り難う御座いました。

メールでのインタビューなので現状では片思いの段階ですが、想いは伝えられたかなと自負しております。

では最後に今回のリリース&インタビューを記念しての「弊社限定コラボアイテム」の件を。

今回は弊社からのデザイン・リクエストは一切無しで、完全にお任せして小林さんにオファーさせて頂きました。

此処が重要だったと思います。デザインを見た方は弊社がリクエストしてると思われる可能性が高いので(笑み)

そして届いたデザインを見て驚愕し、震えた次第です。

小林さんの弊社への気持ちが痛い程伝わるのですが、圧倒的な文字力とレイアウトとキャラクター。

「着る人を選ぶ事」がコンセプトの様なデザインになっております。

最後にデザイン解説を宜しくお願い致します。

そして「THE NOVEMBERS」がPM11:00からライヴする共同イベントをいつか開催実現出来ればなと願っております。

親愛なる小林様へ SIDEMILITIA inc.遠藤でした。

 

  YUSUKE KOBAYASHI

デザインの件に関しては、僕のサイドミリティア愛を込めつつ、『以前、僕が描いたウインナーのキャラとかをアイテムにしたいと言ってた人達だから、怒られないだろう』というつもりで描きました(笑)。

漢字とカタカナと英語と白クマのケミストリー、結構かっこいいとすら思ってるんですけどね。

今後ともよろしくお願いします††

小林祐介

 

 

あとがき:

以上が今回のメール・インタビューになります。

基本的に改行以外は小林さん独特の句読点の使い方など、そのままにアップしております。

実際に音声録り等だったらこの倍以上の内容になった気がしますので、次回こそと思いつつ。

ライヴに招かれた約1週間後に「ウエノコウジ」さんと一緒にイベントを開催しました。その時もイベント後の打ち上げの際「THE NOVEMBERS」の話題になりました。

『俺、THE NOVEMBERSはスゲエ格好良いと思うんだよね』『土屋さんとの音源とか格好良かったね』(※2015年にリリースした5th EP「Elegance」)『俺はマジでTHE NOVEMBERSは好きだよ』との事でした。

午前3時頃に終わったその夜、自宅に歩きながら帰る際、その事を直ぐにケンゴさんに。翌日は小林さんにメールを送った次第です。

そしてコラボアイテムですが、本当に衝撃的なデザインですが、私は一生背負って(double meaning)着ていく所存です。

 

 

■ 新譜リリース/インタビューを記念してTHE NOVEMBERSとの限定コラボ・アイテム2型を発売

好評につきファースト・カラーは全て完売。第二弾としてリミックス・タイプを発売。

 

 

■ THE NOVEMBERS NEW EP「TODAY」

Label : MAGNIPH / Hostess
Format:CD
Number:HSE-8042
Price:1,600円+税
発売日:2018年5月16日(水)

(トラックリスト)
1. みんな急いでいる
2. O Alquimista
3. Cradle
4. TODAY

●「TODAY」によせて~小林祐介コメント:
ベスト盤「Before Today」を経たことで見えた、自分のコアのようなものを作品にしました。自身や環境の日々の移ろいを、なるべく自然なまま記録し、デザインしました。
この四曲とアートワークによって初めて立ち上がってくる静けさが気に入っています。
うるさい場所でも、しずかな場所でも楽しんでもらえると思います。

 

■ THE NOVEMBERS LIVE INFORMATION

18/5/18(Fri) 札幌DUCE SAPPORO
Tour – TODAY –

18/5/27(Sun) 新潟CLUB RIVERST
Tour – TODAY –

18/6/4 (Mon) 新代田FEVER
LIVE HOUSE FEVER presents METZ Japan tour 2018

18/6/9(Sat) 梅田Shangri-la
Tour – TODAY –

18/6/11(Mon) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
Tour – TODAY –

18/6/12(Tue) 福岡The Voodoo Lounge
Tour – TODAY –

18/6/15(Fri) 仙台LIVE HOUSE enn2nd
Tour – TODAY –

18/6/19(Tue) 池下CLUB UPSET
Tour – TODAY –

18/6/21(Thu) 恵比寿LIQUIDROOM
Tour – TODAY –

18/6/29(Fri)埼玉熊谷モルタルレコード2階
モルタルレコードpresents~ソングイズライフ特別編~スペシャル2マン”ありそうでなかったリクエスト大会” ※小林祐介ソロ出演

18/7/2(Mon) 渋谷クラブクアトロ
MO’SOME TONEBENDER × THE NOVEMBERS “QUATTRO STANDARDS”

18/7/4(Wed) 代官山UNIT
mol-74 presents “mol-7.4″

18/7/14(Sat) いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉
JOIN ALIVE 2018

18/8/22(Wed)新木場STUDIO COAST
UKFC on the Road 2018

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

OUTRAGE : 安井義博 インタビュー公開

今年デビュー30周年のNEW ALBUMRAGING OUT」をリリースしたばかりの<OUTRAGE : アウトレイジ>。

30周年を記念して、念願だった<OUTRAGE>との弊社限定オフィシャル・コラボレーションも実現しました。

こちらでは、ベーシストである安井義博Ba)の弊社オリジナル・インタビューを公開!

是非、ニューアルバム/コラボレーション・アイテムと共にごゆっくりとお楽しみ下さいませ。

Interview.安井義博(Ba.) Interviewer. 遠藤博美(SIDEMILITIAinc.代表)

 

・OUTRAGE official site

・OUTRAGE official Twitter

・OUTRAGE official Facebook

・OUTRAGE official Instagram

 

● 安井さん、お久しぶりです。この度は弊社限定で30周年記念アイテムをリリースさせて頂き本当に感謝しております。もうファンとしては可成りの古株ですが、夢見心地気分です。有り難う御座います。

アイテムに関しては様々な世界中のバンドグッズを私自身長く楽しんでおりますが、L/S TEEは圧倒的にリリース数が少なく<OUTRAGE>のL/S TEEがどうしても欲しかったのでオファーさせて頂きました。

それでは質問の数は少なくも、一問一問が長いインタビューになりますが今回も宜しくお願い致します。

今回の新作『RAGING OUT』ですが、兎に角「ヴァリエーション」ってワードが浮かぶ作品でした。

勿論、今までも作品としてのコンセプトとしての統一感は有りますが、様々なタイプの楽曲を収録してたと思います。色々な側面を感じる楽曲/アルバムは多く有りました。

例えば2010年にリリースしたアルバム『OUTRAGE』も同様に凄いバリエーション有る楽曲構成でしたが、あの作品は<OUTRAGE>が<OUTRAGE>に影響を受けた様な作品と思ってます。

<METALLICA>のアルバム『DEATH MAGNETIC』にも同様なイメージです。

ですが、僕が今作で感じたイメージは「OUTRAGEと云うバンド」と云うよりも「OUTRAGEと云うレーベル」のコンピレーションと云う印象でした。

極論的に言うならば<OUTRAGE>って同名のバンドが沢山収録してる錯覚が起きます。

それだけ各楽曲自体が単独として確立した完成度と私は思います。

今まで以上に様々なタイプの楽曲が完全に熟成されている/バリエーションの質(意味合い)が全く違うと個人的には思っています。

そのアルバムの特徴性がとにかく凄い格好良い!!と思えた作品でした。

レコーディング/リリースして暫く経過したからこそ、メンバーである安井さん自身でも完成直後より客観的にアルバムを理解した部分が有ると思います。今作の特徴をどう捉えておりますか?

 

 安井義博

先ず基本的に俺はアルバム制作にあたって、「その時やりたい事をやるという事」と「曲にバリエーションをつける」というポイントは今までのアルバムも今回のアルバムも全く変わっていないんだけど、

今回と今までとは違う点としては、以前までもメンバーそれぞれ個人としてのテーマは持ってアルバム制作に取り組んでいたと思うけど、バンドとして一致したテーマを共有した事は無かった。

しかし今回は「シンプルでアグッレシヴ」そして「ガレージ」というテーマをバンド全体で共有して取り組んだ事。

その結果アルバム全体がラフでアグレッシヴな印象に仕上がったと思う。

そして以前から<OUTRAGE>の楽曲には様々なスタイルの要素が入っているし、それはアルバムを出すたびに広がっていて、

また俺個人的に『OUTRAGED』までは、俺が思う”リスナーの人達が<OUTRAGE>に対して持ってる「OUTRAGE像」を踏まえつつも、そのイメージとは違う要素を積極的に取り入れてきたけど、

今回は人が思ってるであろう「OUTRAGE像」は意識せずに、逆に初期のデモテープからトリオ時代、そしてアルバム『OUTRAGED』までの自分が作曲等でやってきた<OUTRAGE>の全ての要素を自由に取り入れて、しかも思いっきり踏み込んで混ぜてみたので、楽曲がそれぞれ個性的でバリエーションがあるというのはその通りだし、狙っていた事でもある。

要は自分が今まで書いてきた<OUTRAGE>の曲に影響を受けて今の自分が書いた曲ということなので俺にとっては今回の『RAGING OUT』こそが「OUTRAGEに影響を受けたOUTRAGE」だと言える。

そして今、客観的に聴いてみても最初にイメージしていた通り、バリエーションがあってパンキッシュでアグレッシヴな、まさに<OUTRAGE>らしい理想の「THRASH METAL:スラッシュメタル」になったと思う。

 

● 僕は先に聴かせて頂いた時点で「リードトラックのMVで判断出来ないアルバム」とラジオやSNS等で皆さんに伝えておりました。理由は最初の質問での私の感想で分かって貰えると思います。

だからこそ、今回のリードトラックである『DOOMSDAY MACHINE』は確かに的確な選曲だったとも思います。この楽曲は今までに無い「バランス感」だったとトータルで通して聴けばより分かるからです。

私の考えるバランス感と云うのは、今までのバンドの歴史として考えると、歌(ヴォーカル)としての趣向と楽曲(演奏する3人)の趣向のバランス感を指します。

今までの発表した楽曲は何方かに多少は偏りつつ3/7だったり、6/4だっったりと最終的に4人のミュージシャンが満足する「10」へ持っていく様な楽曲という勝手なイメージです。

この楽曲は5/5のイメージが湧く様な感じがしました。だからこそのリード・トラックなのかと?

ただ多くの<OUTRAGE>のファン層を考えたり、商業的に考えた場合は『MACHETE…』とかの方が分かり易いんじゃないか?とも思います。

そして『それじゃあ、つまらないよね』『やっぱりこの曲が今まで一番俺達で新しいでしょ?』ってROCK魂と云うかPUNK魂(天の邪鬼)に火が付いたのかなと。

実際にこの曲をリードトラックに選んだ理由って教えて貰えますか?

 

 安井義博

今回のリード・トラックに関して当初は幾つか候補があって、実はそれぞれ意見が割れたんだけど、

先ず俺としては今回のアルバムは前2作の流れとは全く違う誰も想像つかないものにしようと思ってた。

実際、俺は別の曲を選んでいたけど『DOOMSDAY MACHINE』で行こうとなった時に、今までの<OUTRAGE>には無かった曲調で、しかもこんな曲で唐突にアルバムが始まるとは誰も想像してないだろうという事で「これもありだな」と感じた。

しかも次の『Hmmer Down And Go』に続くのも誰も想像出来なかった流れだと思うし、良い意味で期待を裏切ったって事では成功で、確かにそれは「ひねくれたPUNK的」な考えであるということは間違いないし、俺はロックバンドにはそういうのを求めてる。

そしてSEやイントロ等の「始まりを予感させるような物」も無く、ぶっきらぼうにいきなり曲が始まるっていうのは<OUTRAGE>の本質を表してるとも思う。

 

● 今だからこそお聞きしたいのが、前作(実質的には前々作ですが)の2013年リリースされたアルバム『OUTRAGED』です。

僕は今までリアルタイムで各アルバムを楽しんでおりますが、特に今までで一番正直なアルバムが『OUTRAGED』だった気がします。真っ裸の<OUTRAGE>ってイメージです。

メンバー自身の為に/バンドとしてのプライドの為に作った作品なのか?と当時から思った位に強烈にマニアックな作品だったと私は思っています。

勿論、アルバム『OUTRAGE』の作品があの様な内容だったからこその反動も有ったのかとも思いますが、だからこそ年月が経てば経つ程に聴き込んで当時よりも面白みを感じれる難解な作品だったりします。

性質的に1997年のリリース当時よりも今の時代にフィットする名作アルバム「WHO WE ARE」と兄弟作って勝手に思ってます。

あの作品を今はどう捉えておりますか?

 

 安井義博

『WHO WE ARE』は俺も大満足してるアルバムで、『SPIT』もそうだけど確かに時代に対してリリースが早かったとも思ってる。

俺としては『WHO WE ARE』はいわゆる「METAL」とは違う物にしようと考えてたし、実際そう言う仕上がりにもなってると思う。

それがトリオ時代の楽曲に繋がっていくんだけど、『WHO WE ARE』も間違いなく<OUTRAGE>で、それ以前にもあったけど目立たなかった要素が目立つように表に出てきたという事だけで、それを踏まえて以前のアルバムを聴いてみると「なるほどな」と新たな発見があるはず。

ちなみに俺は『RAGING OUT』と『WHO WE ARE』には同じ空気を感じてる。要はバランスの割合ってことかな。

『OUTRAGED』と『WHO WE ARE』が兄弟って感じるのも理解はできるけど、俺にとっては少し別物。さっきも言ったように『WHO WE ARE』は「METAL」とは違うものにしようとしてたけど、『OUTRAGED』をリリースした2013年は『WHO WE ARE』をリリースした1997年当時よりも時代的にいわゆる「METALの幅」が広がっていたので、その幅が広がったMETALの中で幅を広げたMETALをやろうとしたと言う事。

そしてそれは前作の反動というよりは前作と同じような物にはしたく無いと考えから。個人的な話だけど実際はアルバム『OUTRAGE』の頃はやり尽くした感があって、俺はバンドへの関わり方を変えていた時期なんで作曲等にはあまり関わってないんだけど、と言っても手を抜いていたわけでは無くて俺自身新しい方法を模索していた感じ。

 

● <OUTRAGE>のインタビューをさせて頂くのが可成り久々なので、もう一つ2015年にリリースしたアルバム『GENESIS I』の件を。

内容は前半7曲をGENESIS SIDEとして国内初期ロックバンド達のカヴァーを中心した選曲にし、後半に未発表5曲をEXPLORING SIDEとして収録しております。

私自身はカヴァーされたアーティストのオリジナルの音源を全てLP盤で既に持っていたので前半の<OUTRAGE>の持つイメージとしては意外な選曲も楽しませて貰いましたが、あの後半の未発表作が曲数も含めEPとしてリリースしていたら、それこそ第2のデビューEP『OUTRAGE』みたいな作品に捉えられたんじゃないか?って点です。

別々にリリースするか、それか内容を考えても紙ジャケの2枚組の方が私は良かったんじゃないか?と。

勿論、2枚組だとコストの件だったり、カヴァー曲が海外のメタル系だったら別々にしたのかなとも推測出来ますが。

実際に私はあの新たな5曲をEPの様に意識し編集して単品で聴いてみたら、明確に違って聴こえて最高でした。曲を飛ばしで後半だけ聴くとは全然違いました。

そうなると、強引では有りますが今回の新譜が時系列に繋ぎ合わせると新たなデビューアルバム的意味合いになり、先程の「バラエティー」って側面に結びつくという熱狂的なファンの楽しみ方である勝手な妄想が膨らむ訳です。

実際に今振り返り、あの作品を安井さんはどう捉えてますか?

 

 安井義博

まず『GENESIS I』は企画盤で、そして誰も<OUTRAGE>が日本語で歌うとは想像もしてなかっただろうという事が重要なポイントで、それ以上に深い意味は全く無い。

最初は<METALLICA>の『GARAGE DAYS』みたいに<OUTRAGE>が結成当時に影響を受けた「N,W.O.B.H.M」等のバンドのカヴァーをやろうというアイデアもあったけど、それでは<METALLICA>と同じなのでという事で、他にも色々なアイデアが出た結果「70年代頃の日本のバンド」のカヴァーでという事になった。

実際<OUTRAGE>はそれまで日本のバンドのカヴァーはやったことが無くて、<FLOWER TRAVELLIN’ BAND>の「SLOWLY BUT SURELY」をカヴァーするまでは知らなかったし、『GENESIS I』の収録曲の中にもカヴァーするまで知らなかった曲もある。

でも、やってみた結果「完璧にOUTRAGE」になってると感じた。そして特に<外道>や<アナーキー>や<頭脳警察>をやってみて<OUTRAGE>の本質を思い出したし、それが新作の『RAGING OUT』にも繋がってると思う。

オリジナル5曲に関しては元々あった曲で『GENESIS I』用に書いた曲では無くて、

特に「BURIED ALIVE」と「SUNNY DAZE」は橋下脱退直前の曲で、これはトリオ時代のスタイルに繋がっていく。

他の3曲も前2作用に書いた曲でいつかは発表したいと思っていたので、だったらこの機会にという感じでこれも深い意味は無い。

ただこの5曲をEPとしてリリースというのはなかなか良いアイデアだと思うよ。それが「新たなOUTRAGE」として『RAGING OUT』を予感させる物にもなったかもしれない。

 

※FLOWER TRAVELLIN’ BAND:SLOWLY BUT SURELY……1988年にリリースしたOUTRAGEの1st ALBUM「BLACK CLOUD」に収録されております。

 

● 今回の新譜リリースに伴い、来年2018年からスタートするTOURも発表されました。

昨年に<ANHTEM>が20数年振りの新潟公演、そしてまさかの今年も開催とビックリしたばかりですが、やはり近年は歴史有るバンドだと東名阪の開催がメインとなっております。

僕は以前から歴史有る各バンドに対して思っている事ですが、新譜リリースに伴うTOURは人口も多く動員も安定してる東名阪だけでも良いと思うんです。

だからこそ首都圏ではない地方公演に関しては「特別な企画」としての小規模のTOURを提案する方が良いんじゃないか?って点です。

例えば1993年リリースのアルバム『SPIT』や1997年リリースのアルバム『WHO WE ARE』の再現ツアーです。アンコールに新譜や代表曲から少しプレイする様な2部構成で。

そうすれば全国の熱狂的なファンは逆に地方へと駆けつけるでしょうし、地元のファンも特別な公演が見れる嬉しさも有ります。逆に東名阪の公演には地方の熱狂的なファンも行かれるでしょうし。

その明確な違いが有れば、双方のファンが行き来する様な素敵な流れが生まれるじゃないか?と。

この辺はどう思いますか?

 

 安井義博

勿論、今でも色々な場所でライヴがしたいとはしたいとは思っているけど、今の<OUTRAGE>としては日程の調整や経費的な事でそう簡単にはいかないのが事実。

日程と経費の事がクリアになればいつでもどこでも行く用意は出来てる。また、名古屋ではよく地元ならではの企画など特別な活動もしているけど、他の普段行かない地方都市でもその都市ならではの特別な企画ができたら面白いとは思うよ。

そー言えば前回の新潟公演では<OUTRAGE>の前座に<CAUSE FOR PAUSE>が出演したけど、あれは新潟と広島でしかやってない筈で特別だった。

 

※CAUSE FOR PAUSE……OUTRAGEの橋本さん(Vo.)以外の三人編成での変名OUTRAGE。トリオ時代の楽曲を中心にプレイ。その日は私もディスクジョッキーとして出演しておりました。

 

● 簡単な質問ですが、以前みたいなライヴ本数を現在も4人のメンバーはしたいって気持ちですか?

僕自身は本数が大事とは思っておりませんが。

 

 安井義博

他のメンバーがどう思ってるかは知らないけど、俺は演奏する事が好きだから毎日ライヴでも良いくらいの気持ち。

 

● 新譜の話に戻ります。王道の質問かも知れませんが、ファンに人気が有る楽曲とメンバー間の人気の有る楽曲についてです。

過去の作品を踏まえて、その二つがリンクする時って多いもんですか?それとも大体違っているもんですか?

例えですが私ですと、未だにライヴのオープニングに永遠の定番にして欲しい位、大好きな楽曲で『BROKEN MAN』(WHO WE AREに収録)だったり、『EAGLE』(SPITに収録)も大好きで過去<OUTRAGE>のライヴを沢山観てきましたが、当時観た時の衝撃が未だにナンバーワンだったりします。

実際に私自身、<OUTRAGE>の全てのアルバムで過去最大級に腰を抜かして驚き、大興奮した作品は『SPIT』だったりします。

今作からはどの曲が特に人気者になると予想しますか?メンバー間と一致すると思いますか?

 

 安井義博

<OUTRAGE>には大きく分けて2つの側面があって、それは「保守的な側面」と「進歩的な側面」で、それが楽曲やバンドのイメージにも表れていて結果<OUTRAGE>というのを構築していると思う。

ファンの人達もそれぞれが違った<OUTRAGE>の側面に価値を見出してくれていると思うし、バンドメンバーもそれぞれが違った側面に価値を見出していて、それを生かしたいとも思ってる。

なのでメンバー間でも人気が一致する曲と一致しない曲があるし、当然バンドとファンの人達とも一致する曲もあればしない曲もあるはずだけど、どの曲であろうとも気に入ってくれる事は本当にありがたいし、しかもライヴで盛り上がってくれる曲を演奏するのは特に楽しい。

なので、あまりやらない曲でもライヴで盛り上がってくれたら定番化するかも。

ちなみに俺も『BROKEN MAN』と『EAGLE』は好きな曲で、特に『EAGLE』は出来にもすごく満足している。

 

● 80年代以降のスピードに特化した音楽(スラッシュメタルやハードコア)をプレイしてたバンド、そしてリスナーの方々達の年齢が遂に50代に入ってきました。

私自身もいつの間にか43歳になってしまい、当時では誰もが想像しなかった未知にゾーンに突入です。

今後はそんなエクストリームな音楽も今の<ELVIS PRESLEY><THE BEATLES>などと同様に、70歳や80歳になっても「オールディーズ」として楽しまれる世界になるのか?と、とても楽しみだったりします。

実際に海外のメタル・アーティストへの質問では『今でも80歳位のお客さんが来てたりするよ!』と聞く事も有りますが、日本ではどうなると思いますか?

そして何度か聞かれてると思いますが、ご自身でもこの年齢まで此処まで激しい楽曲をプレイし続けてると想像してましたか?

 

 安井義博

自分が10代の頃の日本には今の様な30代や40代、ましてや50代のロック野郎。しかもエクストリームなロック野郎なんていなかったし、自分が50代のロック野郎になることすら想像した事がなかった。

でも自分がその50代のロック野郎になって、ファンやお客さんも40代や50代になって、しかもクレイジーときてる。その点ではようやく「欧米のロック・カルチャー」に追いついてきたと言えると思う。

そして俺は今でも10代の頃に聴いていた音楽にエキサイト出来るし、着てる洋服のスタイルも当時とほとんど変わってない。それは10年後や20年後も変わってないはず。

だけどプレイヤーとしては体力的な事もあるので、いつまで出来るかは分からないけど、幸いそれを心配する必要はまだなさそうなので今のところは飽きるまでやり続けるだろうね。

まー、歳とった事を自覚出来て無い「ただのバカ」って事は自覚してるけど。

 

● 最後の質問です。1987年にEPである「OUTRAGE」をリリースした当時と、最新作「RAGING OUT」の間には30年が有ります。

ベース・プレイヤーとして作曲者として、当時の自分が持っていた趣向やセンスと今は違う部分も有ると思います。

それこそ色々な意味で初期の自身に敵わない部分も有る筈です。「今ではあんなフレーズ浮かばない」とか「あの音質をどうやって出してるんだ」とか様々に。

そんな安井さん自身でもバンドとしてでも良いのですが、当時には出来ない今作で得た最新の武器(凄さ)って何だと思いますか?

当時の安井さんが今作を聴いて『凄えなぁ…』って思えるだろう明確な部分が有れば教えて下さい。マニアックでも構いませんので。

 

 安井義博

『RAGING OUT』で証明した通り、30年前にやってた事を30年後の今も当時の様に出来るって事が分かった事が今回得た最新の武器。

しかし30年前には今の様には出来ないだろうし、そしておそらく30年前の自分がなりたかった30年後の自分になってる筈なので、当時の自分が今の自分を見ても全てにおいて「凄えなー」と感じると思う。出来る事なら会って聞いてみたいけど。

 

● 長々と質問させて頂き、本当に有り難う御座いました。

以前のライヴでは基本的に無言で睨む様な目つきでプレイし、最後の方で1回だけ吠える安井さんに十代からずっと格好良いなと思っておりますし、今も同じ気持ちです。

3rdのツアー時に安井さんの髪の毛が照明に引っかかり、最前で観てた私は柵の上に登りまして引っ掛かった髪を外した後、上半身裸で一言『ヴォォ!』と吠えて御礼をしてくれた安井さんは一生のトラウマです。

お店でも音源を展開していた安井さんのもう一つのバンド<CROCODILE BAMBIE>の新譜やライヴも楽しみにしております。

これからも末永く私も含めてファンを楽しませて下さい。長く活動を続けて頂き本当に本当に感謝しております。

私個人を含めて最後にファンの皆様にメッセージでも頂けたらと思います。

 

 安井義博

FUCK YOU!

 

– 完売御礼 –

弊社限定発売の30周年記念アイテム発売決定!

 

OUTRAGE new album『 Raging Out 』

-Deluxe Edition-

CD
. Doomsday Machine (lead track)
. Hammer Down and Go
. Territorial Dispute
. Machete…
. Wake
. Hysteric Creatures
. Spin
. We Warn All Belongs
. Heroes Falling
. Wolf and Raven
. Outrage
. Death Trap (studio live)
. Step on it (studio live)
. Mother (coming home)

DVD
・30th Anniversary『XXX TOUR』
“LIVE AT SHINJUKU LOFT 2017.02.19 ”
. Death Trap
. How Bad ?
. Step on it
. World Slow Down

-通常版-

CD
. Doomsday Machine (lead track)
. Hammer Down and Go
. Territorial Dispute
. Machete…
. Wake
. Hysteric Creatures
. Spin
. We Warn All Belongs
. Heroes Falling
. Wolf and Raven
. Outrage

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

THE ANDS インタビュー

先日開催された弊社主催イベント「COLOUR SCENE」で遂に初共演を果たした<THE ANDS>。

コチラではオンエア後も大反響のあった<THE ANDS>のメンバーをゲストに迎え1時間大特集したラジオプログラム「HAPPY TOGETHER」の内容を公開!

ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。

(放送時にオンエアされた楽曲部分はカットしてあります。ご了承下さいませ。)

SPECIAL GUEST : THE ANDS(磯谷 直史(Vo& Gt)/松尾 貴教(Ba)/祢津 隼(Dr))
PARSONALITY : 遠藤博美(SIDEMILITIAinc.代表)

 

 

 

・THE ANDS official web site

・THE ANDS official Twitter

・THE ANDS official Facebook

・THE ANDS official Instagram

 

THE ANDS New Album 『 FROTHY 』

■TRACKLIST:
01. Ohm
02. Weed
03. Day By Day
04. Womb
05. Mute
06. Psalm

2011年結成。磯谷直史、松尾貴教、袮津隼によるオルタナティブロックバンド、THE ANDS。海外経験を経て更にスケールアップしたバンドは、今作『FROTHY』にオルタナ魂全開のサウンドぶち込んで再び世界に飛び立つ!

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

GUEVNNA インタビュー

先日開催された弊社主催イベント「COLOUR SCENE」でのライヴも大盛況に終わった<GUEVNNA : ゲブンナ>。

コチラでは先日オンエアされたラジオプログラム「HAPPY TOGETHER」での<GUEVNNA>ロング・インタビューの内容を公開!

ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。

(放送時にオンエアされた楽曲部分はカットしてあります。ご了承下さいませ。)

Interview : RYO(Vo.)/TEMI(Dr.)
Interviewer : HIROMI ENDO(SIDEMILITIAinc. 代表)

 

 

 

・GUEVNNA Official Facebook

・GUEVNNA Official BANDCAMP

・GUEVNNA Official SPORTIFY

 

■ 店舗限定の<GUEVNNA>オフィシャルT-SHIRTS発売中!

 

GUEVNNA 1st Album 『 HEART OF EVIL 』

■ TRACKLIST:
1. Black Ghost
2. Salvation
3. Heart of Evil
4. Last Sleep
5. Parasitic
6. Blood Run
7. Daybringer
8. Burn

SIDEMILITIA ONLINE STOREにて発売中

 

GUEVNNA 1st EP 『 CONSPIRACIES 』

■ TRACKLIST:
1. Conspiracy
2. Confession
3. This Mortal Grace
4. Deathbed

SIDEMILITIA ONLINE STOREにて発売中

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

VVORLD : ♨魔♨ インタビュー

遂に2月24日(金)「COLOUR SCENE」での出演が決定した結成当初からプッシュし続けるバンド<VVORLD>のギタリスト<♨魔♨:赤石さん>のインタビューとなります。

活動範囲がとても広い方で興味深い話が聞けると思います。

最近の個人的なモードで、音楽を中心にした質問ですが、インタビュー自体が珍しい方だと思いますので、ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。

Interview. ♨魔♨(VVORLD)  Interviewer. HIROMI ENDO(SIDEMILITIAinc.代表)

 

・VVORLD official bandcamp

・VVORLD official Twitter

・toosmellrcords official blog

 

● 今回は宜しくお願い致します。可成り基本的に事など沢山質問させて貰います。

個人的にライヴ同様に凄い楽しみにしておりました。宜しくお願い致します。

 

  ♨魔♨

こちらこそ宜しくお願い致し魔す。そしてお話頂きありがとうござい魔す!

ご期待に添えるかわかり魔せんが、真心込めて回答させて頂き魔魔魔す!

 

● 有り難う御座います(笑)先ずは根本的にギターを始めた切っ掛けを。

根本的に何故に他の楽器では無く、「ギター」を選んだのですか?

時期もそうですが、どんなバンドを知って『ギターをしよう!』と聴くだけで無く、演奏する側になろうと決意したのですか?

今でもその方をリスペクトし続けて、追いかけていますか?

赤石さんの年齢が分からないので、影響を受けた時期が違うかも知れませんし、今のギタープレイに関しての印象となるので、間違っているかも知れませんが、

個人的にはどんなに速い楽曲でも必ずグルーブ感が有り、そのギターサウンドの質感の部分が赤石さんの大きな特徴で有り、大好きな部分でも有り、個性でも有ると思っているので、

<DIMEBAG DARRELL(PANTERA/DAMEGEPLAN):ダイムバッグ・ダレル>なのかな?とも感じたりしてますが…?いや、多分この方の影響は赤石さんのギタリスト人生では中期にかも知れません(笑)

 

  ♨魔♨

ダレル(※ダイムバッグ・ダレルの通称)はギター弾き始めた当時から今でも大好きなギタリストの一人です。かなり影響受けているかと思いますが、知ったのはギター弾き始めてからですね。

ギター弾き始めたきっかけは<hide>(※X JAPANのメンバーですが、バンド時は大文字でHIDEと、ソロの時は小文字でhide表記になってます>です。

<X JAPAN>も好きで聴いてたんですけど『楽器やろう!』っていう程のテンションにはなってなかったんです。

ですが<hide>の「ROCKET DIVE」(ソロとしては8枚目の1998年1月にリリースしたシングル)のギターソロを聴いて、初めてギターを自分で弾いてみたいと思いました。

何か弾けそうだし、楽しそうだなって。それが「中二」になりたて位の時です。

何よりトータルで今でも<hide>はむちゃくちゃリスペクトしてます。

ギタリストってよりアーティストとして全ての面でカッコイイ人だと思います。

今も生きてたら凄い音楽作ってたんだろうな….と。少なくとも一年に一回は思いますね。

<KERRY KING:ケリー・キング>と<JEFF HANNEMAN:ジェフ・ハンネマン>(共にSLAYER)の二人、<TOM MORELLO:トム・モレロ>(RAGE AGAINST THE MACHINE)、<真島昌利>(THE BLUE HEARTS/THE HIGH-LOWS/THE CRO-MAGNONS)、<横山健>(HI-STANDARD)はギタリストとして最高だと思ってます。

最近、凄く好きなギタリストは<IGOR HAEFELI>(DAUGHTER)です。

一発でその人のキャラが分かるフレーズを出してくるギタリストが好きです。

そのせいなのかは分かりませんが、自分が弾く時も自分の気持ち良いタイム感とかは崩さない様にしてます。

フレーズによって微妙に速く弾いたり、遅く弾いたりとか。それがグルーヴに繋がってるんだったら嬉しいですね!

あと音楽的には全く興味も無いし、今までまともに音源一枚も通して聴いた事もありませんが<YNGWIE MALMSTEEN:イングヴェイ・マルムスティーン>(※クラシカルで高速な速弾きと楽曲を80年代に確立し、世界中のギタリストに衝撃を与えた。とんでもない名言が多数)の存在は自分にとって絶対に欠かせません。

「ギター界最高峰の伯爵」だと思っており魔す。携帯の待受も此処数年ずっと<イングヴェイ>です。

 

● インギーはリアルに最近ギターを始めた僕として、再検証してました(笑)さて、ギターをした事が有る方でも、オリジナルの楽曲を手掛ける人が限られています。

『もしかしたら半分以下じゃないか?』とすら思えます。

実際にオリジナルの楽曲を作り始めた時期、そしてどんな楽曲でしたか?今でも弾けますか?(笑)

 

  ♨魔♨

最初は中3~高1辺りの時に何となく作った「スラッシュメタル」って云うか「メロディック・デスメタル」って云うかって感じの謎の曲です。

当時<IN FLAMES>とか<ARCH ENEMY>とか<CHILDREN OF BODOM>とか所謂「メロデス」(※MELODIC DEATH METALの通称)が凄まじい勢いで盛り上がってた事も有り、

自分が<SEX MACHINEUNS>を切っ掛けに「ジャパメタ」(※JAPANESE HEAVYMEALの通称)を聴き始めた事も有り、何かそこらへんが混ざった感じの仕上がりになってました。

残念ながら、今でも弾け魔す。

それを切っ掛けにオリジナルを作り始めたって訳でも無く、高校卒業まで「たまぁ~」に趣味で作って友達に聴かせる位で、まだコピーに夢中でした。

ちゃんと曲作り始めたのはバンド活動するってなった高校卒業後からです。

 

● 私事ですが、先程も書いた通り昨年からバンド活動を始めました。年甲斐も無いからこそデモやT-SHIRTSを直ぐに作ったり、ライヴを毎月ゲストを招いて開催したり、活動が活発過ぎてます。

以前は分からなかったけど、楽器類の質以上に相性(好み)がはっきりと分かってきたのが、凄い自分にとって大きな発見でも有り、実際に深く音に関わってくると分かりました。

ピックの厚さ(0,6mm)だったり、値段関係無くギターのモデル(LES PAUL:レスポール)だったりと。

赤石さんの楽器に対する昔と今の好みや趣向の変化を教えて貰えますか?

 

  ♨魔♨

軸はあまり大きくは変わってないと思いますね。

ただ、ギター持ちたての頃は完全に見た目しか考えてなくて「変形」ばっかり使ってました。「Killer」(※LOUDNESSのギタリスト:高崎晃のギターブランド。)とか「BC RICH:Warlockモデル」とか。

そこから音を模索し始めて色々弾いていく中で「GIBSON:SGモデル」(※ANGUS YOUNG:アンガス・ヤング(AC/DC)やTONY IOMMI:トニー・アイオミ(BLACK SABBATH)などが使用してるモデル)に辿り着くんですが、見た目は未だに変形が一番好きです。

本当は「LES PAUL:レスポール」みたいな音の出るゴリゴリの変形ギターが理想です。

ちなみに<VVORLD>以外のバンドでは、今も「STRATOCASTER:ストラト」や「GRETSCH:グレッチ」等も使ってますが、共に素敵な楽器だと思います。

基本的にどのギターもそれぞれの個性があって凄く好きです、最初は馴染まなくても弾く度に馴染んでくるし、特に最近だと「グレッチ」が最高です。生音がまず気持ち良いです。

ピックはよく忘れるので、ライブハウスで拾ったヤツとか、その場でテキトーに貰ったヤツを使う事の方が多いですが、一番好きなのはトライアングル(※ブランドでは無く形の名称で大きめです。僕も同じです)の「ミディアム」です。高校生位からずっとそのままです。

<YNGWIE MALMSTEEN>のピックも使った事あるんですが、完全に他のギタリスト達とは一線を画すデザインと太さにより衝撃的に弾きづらかったので、買ったその日に処分し魔した。

しかも「200円」もするんですよアイツのだけ!そういう部分もやはり最高だと思い魔すね。

 

● 音楽の趣向の話を聞かせて下さい。

僕は十代で激しい音楽を聴きつつも、メインが「BLUES」「SOUL」「HIP-HOP」とBLACK MUSICに移っていった時期が有りました。

その時はそっちの方が未体験で新鮮ってのも関係してると思いますが、感覚として「HARD CORE」だと思ったからです。

赤石さんのメインはずっと「HARD CORE」でしたか?それとも遍歴が有りましたか?

 

  ♨魔♨

細かな遍歴で云ったら物凄い有るんですが……今日までの大きな軸になったのはEXTREMEな「METAL」や「HARDCORE/PUNK」と、あとは「HIP-HOP/R&B」かなと最近では思います。

ですが、ジャンルとかホントどうでも良くて、とにかく自分が刺激を受けられる新しい何かを常に探してます。しかし強いて言うなら長い間「掘り続けてる」(※音源を探す行為の通称)のは大きく言えばこの三つなのではないかと。

ここ数年はずっと「HIP-HOP/R&B」ばかり聴いてる気がするというか、刺激を受ける事が多いです。

あとここ数年で現行「ALTERNATIVE ROCK~EMO/INDIE ROCK界隈」のサウンドにもまた更に深くハマって来ました。

ジャンル問わず音楽的に面白くてキャッチーで、その人の人間性が滲み出てるのが好きです。

 

● そろそろ<VVORLD>の質問を。赤石さんは<VVORLD>以前にも<HARDCORE FANCLUB>や<PASTAFASTA>などの活動で注目され続けた方です。

その頃から異常なギターサウンドやプレイでしたが、拍車をかけてレッドゾーンに突入したと思うのが<VVORLD>です。

以前は大きく捉えれば速さに特化したサウンドが中心だったと思います。ですが<VVORLD>では実際に速さの有る楽曲でも、「DOOM/STONER」要素が強く感じられ、グルーブ感が全く違います。

楽曲自体をバンドとしてなのか、個人が持ち寄っているのは分かりませんが、この音楽性はメンバーの何方かが方向性を決めて浮き上がったのですか?それとも有る意味では全く違うタイプのメンバーが集まって好き勝手にプレイしてるからこそですか?

 

  ♨魔♨

まず、言い過ぎです(笑)

しかし<VVORLD>は今までの自分の守備範囲内でやれてる感はあります。

個人的には自分の「ギター観」の根底にある得意な部分である「メタル的な要素」を軸に置いてやってみたかったってのがあって、<VVORLD>をやる前は素直にそういう曲を作ったり、プレイする事を躊躇してたんです。

なんか恥ずかしいっていうか。そういうのやった事がなかったからやってみようと思ったっていう。

あとはその時にハマってた<WEEKEND NACHOS>(※US:シカゴ出身のバンド)だったり<XIBALBA>(※US:カルフォルニア出身のバンド)だったりっていう現行の海外バンドにもかなり影響受けて、そこらへんをミックスさせたようなのが始まりかと思います。

人間的には四人全員タイプが全然違いますね。よく「キャラが濃い」って言われます。

あと<ウィル>のドラムは独自のグルーヴが有るので、みんなのキャラとか色んな部分が交じり合って、今のグルーヴ感が音に出てるんじゃないかと思います。

そして最初の方はギターとベースの「フレーズも決めず」にライブやってましたね。

最初の音源である『BABYLON HAZE』をレコーディングする前になって流石にそれはマズイなって事で初めてお互いのフレーズ確認しました。

昔からRECでもライブでもギターはアドリブ多めです。やってて楽しいので。

ここまでの段階では、自分がほぼ仕上げて持っていった曲か、軽めの曲ネタやフレーズ持っていき、そこから皆で広げて仕上げたモノから出来た曲のどちらかですが、

作り込んでいった曲でも自分が想像していた形に仕上がる事の方が少ないですし、楽曲作りのスタートは自分が舵を取る事が多いかもしれませんが、作っていく過程で全員でアイディア出し合って色々と変わっていくので、みんなで作曲している感覚です。

 

● <VVORLD>の音楽は本当に一言で言い表すなら「煙たい音楽」だと思いますが(笑)、先程も名前が出た<DIMEBAG DARRELL>がプレイしていた<PANTERA>と云うよりも、

ヴォーカルだった<PHIL ANSELMO>のプロジェクトである<ARSON ANTHEM>や<DOWN>、<SUPERJOINT RITUAL>の方に近いニュアンスを感じれます。

一概に煙たいだけで無く、異種格闘技的な混ざり方(個性)を感じれます。その辺が赤石さんを面白いなって感じる部分だったりします。

ただ煙たい音楽性(DOOM/STONER)は日本では受け入れにくいです。日本でも70年代初期~中期は盛り上がりましたが、それ以降は全くだと思います。

その辺はプレイする側として、どうしてだと思いますか?

 

  ♨魔♨

自分は<VVORLD>で「DOOM/SLUDGE/STONER」に特化した事をしようと思った事はないんですが、やっぱ好きなので自然と出てきてしまっているのかな?とは思います。

日本で受け入れられない理由は色んな意味で「お国柄」じゃないでしょうか???

まず国の音楽的土壌の違いが一番大きな要因なんじゃないかと思います。

当時の日本での盛り上がりもあまり詳しくないのですが、欧米のロックカルチャーが日本で新鮮に親しまれ始めたタイミングだったり、ヒッピーカルチャーだったり、音楽以外の要因も大きく関わっているんじゃないかな?と、思ってます。

ちなみにフィル関連バンドは<PANTERA>以外はあまりハマらなかったですね。

カッコイイんですけどやっぱどこか物足りなくて……フィルのプロジェクトなら<VIKING CROWN>が好きですね。超マニアックなブラックメタルを趣味全開でやってる感じが。

メンバーも自分と彼女っていうのもアツイな!と。

 

● そんな音楽性にも関わらず<VVORLD>には、何故かメジャー性(※ジャンルを問わずに広がる)やアイドル的(※夢中になると云う意味です)な印象を強く持っています。

ドラマーの<HAMMER-CHIN:CHIN WIL>さんとは以前から交流も有り、彼が所属した<THINK AGAIN>にも同様に感じていたりしましたが、

バンド自体が「アンダーグラウンドに拘ってる訳では無さそう」ってイメージが有ります。

この音楽性にも関わらず、結成当初からこの注目のされ方は異例だと思います。勿論、メンバーの過去の遍歴も大きく関わってるでしょうが、それでもちょっと異常な注目のされ方だったと思います。

この意見はどう思いますか?

 

  ♨魔♨

ありがたい意見ですが、そんな注目されてないと思いますよ(笑)

しかし『アンダーグラウンドに拘っていない』っていうのは他のメンバーとも共通なんじゃないかな?と。

世の中的にアンダーグラウンドと言われるものも、オーバーグラウンド(メジャー)と言われるものも結局は同じ人間がプレイしているものなので。

こういう話は難しいですが、個人的には「音楽は音楽」と云うだけで良いと思っています。あとは好み、好き嫌いだけでOKでしょ!と。

 

● それと何故か思うのが、このバンドは長く続くのか?短命で終わるんじゃないか?って不安です。

その不安な要素も魅力の一つだと思いますが、どうなんでしょうか?

バンド間で『このバンドは長く続けようぜ!』なんて会話にはならないでしょうが(笑み)実際はどういったスタンスだったりするんですか?

「パーソナル」だけど「プロジェクト」にも感じたりするんですよね。

 

  ♨魔♨

それ、なぜか周りの友達にもたまに言われますね。何でなんですかね(笑)

勿論『このバンドは長く続けようぜ!』なんて会話になった事はないです。

自分は最初そういう感じで長くやってきたいなって思ってたんですが、気付いたら忘れてました。この質問でそう思ってた自分を思い出しました(笑)

各々ではそれぞれバンドに対するスタンスはあると思いますが、全体として「コレ」っていうまとまったスタンスも特にないんじゃないかな~と。

そこに関しては各々あると思うんですが、話し合って何を決めてどうこうするより、活動してく中で自然と自分達の流れが構築されるのがベストだと思います。

あまりガチガチなスタンスで活動するのは苦手ですね、自分は。

 

● もし<VVORLD>の楽曲を好きな方々にプレイして貰えるとしたら、どんなドリーム編成を希望しますか?

各パートと理由を教えて下さい。

 

  ♨魔♨

ギター:AGATAさん(MELT-BANANA)

理由:日本が世界に誇る国宝級ギタリスト。AGATAさん流にアレンジしたフレージングで弾いてくれたら最高です。

ヴォーカル:MARK McCOY(CHARLES BRONSON/etc….)

理由:自分が知っている中で最高のインパクトと存在感あるシャウトを放つ永遠のカリスマです。:ZACK DE LA ROCHA(RAGE AGAINST THE MACHINE)と悩みました。

ベース:なし

ドラム:JENSEN WARD(IRON LUNG)

理由:とんでもないドラミングをブチかましながら激咆哮する現行ハードコアバンドの中でも頭一つ抜けた最高最強のアーティストです。来日公演見に行ったんですがホントぶっ飛ばされました。コーラスは彼にやって欲しいです。

この布陣でカバーして欲しいってより、このメンバーでの新バンドがあったら最強なんじゃないかと思います。

と、真面目に書きましたが本当は「全員イングヴェイ」が理想です。イングヴェイの宅録プロジェクトとしてやって欲しいです。

 

● イングヴェイと、何よりも「ベース:なし」に爆笑しつつも赤石さんと云えば、2008年から東京:吉祥寺のレコードショップ「TOOSMELL RECORDS」の店長でも知られております。

僕自身もそうですが、好きな文化を仕事にする事は、色々と苦悩が有ったりします。好きだからこそ矛盾する点を取り除こうとすると、売り上げに比例しない苦しみだったり…と。

世代も時代も違えば良い悪い問わず当たり前では有りますが、特に此処数年で音楽のパッケージに対する消費者の考え方も変わってきました。

そんな中でも続けている理由や楽しさって何が有りますか?

そしてもう一つ。バンドや音楽に関わるお店で活動を続け、生活をしてる赤石さんを羨ましく、そして妬ましく思う方も多いと思います(笑)そんな方々に助言など有ったりしますか?

 

  ♨魔♨

妬ましく…..と言われると本当に辛いトコロですね…..本当にどうしようもなく辛い時期も乗り越えて来てるので、まずはそこお手柔らかにお願いします!と(笑)

それこそ「その矛盾」てのはホント大きな問題ですよね……心からそう思います。

始めてから今日まで色んな矛盾と戦って来ましたが、現時点で自分が思う矛盾点は殆んど有りません。

『やっとか……』という気分です。大変でした…数年前、ある月の給料がマイナスになった時とかはホント終わったと思いましたし、実際に今日までに何度も辞めようと思いましたが、辞めなくて良かったな~と今では思います。

助言になるかわかりませんが、とりあえずやりたいと思ったらやっちゃったら良いと思います。

その後で色々と考えたら良いんじゃないかと。もちろんリスクが少ない訳じゃないので「それなりに覚悟」はいりますが、やらないとわからない事ばかりだし、やってみてからわかる事の方が遥かに多いです。

そんな感じで色々と悩みつつ自分なりに日々模索しながらやってる訳ですが、個人店の良いところは自分がやりたいと思った事が自分次第で実現させられるトコロかなと。日々、色んなタイミングで思う『こんなのがあったら良いな』とか『面白いな』っていう部分を。

逆に何もしなければ、驚くほどに何もないので。

良い事も悪い事も全部そのまま自分に返ってくるので分かり易いです。成功と失敗が可成り分かり易く出るところが好きです。身をもって勉強になります。

あとやっぱり単純に刺激的な音に出会える瞬間が最高なので、一番はそこに尽きます。

そういう自分が好きなまだ未知の音源を入荷して、お客さんや友達や吉祥寺WARPスタッフが『良い!』ってなって買ってくれたり、お店でもライブ会場でも『こないだ入荷してた〇〇良かったです』とかって話しかけてくれたりすると、ホント嬉しいですね。

学生時代からお気に入りの音源貸しあったり、好きな曲ばっか入れたMDとか友達と交換して聴いたりとかしてたじゃないですか?そこで『あれヤバいね!』とか話してるの最高に楽しかったので、自分は完全に「その延長がお店」になっちゃった感じなんですが、それが一番大事だと思っています。

音楽そのものだけじゃなくて今は「カセット・ウォークマン/カセットテープ」だったりとか、媒体や再生機器での音の楽しみ方とか、生活の中での色んな音楽の楽しみ方を提案出来たら良いな~と思ってます。

ホントは洋服だったり小物だったり自分の好きな要素は思いつく限り常にお店に投影させて行きたいんですが、まだまだ模索中です。

 

● <VVORLD>ですが、結成当初に比べたらライヴも各県で行なってる様になりましたが、それでも全国で観たくても観れてない方が多くいると思います。

そんな状況でも遂に2月24日(金)新潟公演が決定しました。もしかしたら近県の方もいらっしゃる可能性も有ります。

初めて<VVORLD>のライヴを観る方も多い筈です。一体どんなライヴだと客観的に表現出来ますか?

そして、そんなライヴを楽しみにしてる方々にメッセージをお願い致します。

 

  ♨魔♨

いや~それは正直全く分からないですが、デカくて五月蝿い音は嫌というほど聴けると思いますので、その手のスキモノな方は是非、という感じですかね。

自分達のライブを楽しんで貰えたら嬉しいですが、何より素敵な一夜になる様にお力になれたらと思います。

 

● 今回は有り難う御座いました。僕らのお店でも<VVORLD>のアイテムを展開させて貰っており、本当に感謝しております。

最後にお願いが。

『早く音源ジャケット・デザインのアイテムをリリースして下さい!!』

全国の方が待っている筈なので宜しくお願い致します。弊社と「TOOSMELL RECORDS」限定でも良いので。

 

  ♨魔♨

実は作る予定が有りまして、このタイミングで作って持ってくので宜しくお願い致し魔す!

 

● なんと!それはライブ同様に楽しみです。有り難う御座いました。

 

VVORLD  1st Album 『 BABYLON HAZE 』

■TRACKLIST
1.CONVENTIONAL STRIKE MISSILE OF DEATH
2.GHETTO
3.OUT OF CONTROL
4.NO IDENTITY
5.ASATERASU
6.MUSIC MAFIA

 

VVORLD  2nd Album 『 HIGHWAY SHITS 』

 

■TRACKLIST
1.DAMN WORLD
2.BEYOND CHEMICAL
3.FIXED CONCEPT
4.BLACK TRUFFLE
5.LIVING HEMP

 

■ 遂に新潟ライヴ決定!!

 

 

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

OVER THE STRIPES&Enhance Element : 大嶺 保 インタビュー

昨年末からPROVEN店頭のみでプレ・スタートした2ブランド「OVER THE STRIPES:オーバー ザ ストライプス」「Enhance Element:エンハンス エレメント」ですが、1月下旬に入荷した「2017 S.S COLLECTION」からオンラインストアを含め正式なスタートとなりました。

そんな2ブランドのデザイナーである<大嶺 保>さんに少しお話を聞かせて貰いました。

コレクションと一緒に、コチラもお楽しみ下さいませ。

Interview. 大嶺 保(OVER THE STRIPES/Enhance Element designer)

Interviewer. 遠藤 博美(SIDEMILITIAinc.代表)

 

OVER THE STRIPES/Enhance Element ITEM PAGE

・OVER THE STRIPESEnhance Element official site

 

● 今季から一緒にお仕事をさせて貰える事を嬉しく思います。既にプレスタート分のアイテムも好評で、県内の方からも問い合せを頂いています。

1999年には「Over The Stripes 大嶺保のお仕事」など本も以前に出版されておりましたが、インタビュー自体、近年は余り受けてないとは思います。気軽な感じで宜しくお願い致します。

 

  大嶺 保

以前に自社のカタログでゲストの方との対談という形式では有りましたが、インタビューは久しぶりになりますね。

昨年、遠藤さんからお話しを頂き、直接お会いして直ぐに意気投合し、トントン拍子に「プレ」が始まったという印象です。

プレもそうですが、「2017:春夏」の立ち上がりも好評を頂いている様で、ここまでスムーズに進んでいく事自体稀なので、今後がとても楽しみです!

 

● 先ずは物心ついた時に、最も印象深い自分で選んだ洋服って覚えてますか?

トップスだったのか?パンツだったのか?タイプ/デザイン/カラー含めて。

因に僕は小学校4年生でしたが。

 

  大嶺 保

幼稚園と小学1年生の正月の家族写真で「同じ絞り柄のシャツ」を着ており、高校生の時『何故、そんな変なシャツを毎年着せていたのか?』と親に聞くと、

どうも私のお気に入りで、『どうしても着たい!』と譲らなかったらしく、小2の時は流石にパツパツで断念したそうです(笑)

その後もこだわりは強く、小学4年生の時で「スリーピースのベスト」を欲しがりましたが(記憶ではツイストの世良公則がカッコよくて)母が買ってきたのはニットのベストでした。

それに怒り、一緒に探しに行ってなんとか見つけましが、子供用の細いネクタイは存在しなかったので、祖父のネクタイを自力で細くリメイクして着てましたね。

※世良公則&ツイスト…1970年代に活動したバンド。世良さんは後に俳優としても有名になりました。僕は世代的に知ってる程度ですが、当時から現在まで強い影響力を受けたと著有名人から発言が絶えないので、僕もいつか検証する予定。イメージで云えば「沢田研二」さんは日本での「DAVID BOWIE」的存在で、世良公則さんは「ROD STEWART」的存在なのかな?と思ってます。

 

● 基本的に誰だって洋服に夢中になる時期。それを世間では「思春期」と云いますが、本格的に周りの友人よりも想いが強いんじゃないかって思ったのは何時位ですか?

その頃の強い影響って何が有りますか?僕は逆にブランドってよりも映画や音楽で洋服の影響を受けてたと思いますが。

大嶺さんも音楽の影響を大きく受けてると思いますが。

 

  大嶺 保

中学生になってからは、親の買ってきた服は着なかったので、買ってもらえなくなり(笑)お小遣いを貯めて買ってましたね。

子供の頃からかなりミーハーでした。幼稚園で「フィンガー5」のアキラのサングラスを欲しがったり、その後のツイストだったり(笑)古い話ばかりですみません。

1番の衝撃だったのが、中学の時に幼馴染みの友達に久しぶりに会った時、私は坊主頭で、幼馴染みは長髪でした。

本当は私も長髪の予定だったのが、転校して丸坊主になり、今でこそ坊主はオシャレですが、

私は嫌で、長髪運動を起こし学校で問題になって生徒指導室でこっぴどく絞られました(笑)

話は逸れましたが、その幼馴染みが『ブティックに行こう』と連れていかれたのが「COMME des GARÇONS」でした。

読み方も分からず戸惑っていましたが、その頃のギャルソンは「ボロルックの時代」で、穴の開いたタンクトップが(私には、ボロボロのランニングにしか見えず)8,000円以上していて……とてもショックで、この時の衝撃が無かったらこの道に進んで無かったと思います。

未だに憧れですね。

 

● ブランドをスタートする前には、洋服に関わったお仕事をしていたと思いますが、その頃のモチベーションって何だったんですか?

やはり『自分でブランドを立ち上げるぞっ』て気持ちでしたか?

僕自身も長く洋服関連の仕事しておりますが、未だにブランドを立ち上げるって気持ちが強いか?と問われたら違います。

今でも勿論、各ブランドのお手伝いや実際に作品を手掛ける事も有りますが、やはり気持ちは提供する事が一番好きだったりします。

 

  大嶺 保

幼い頃から絵を描く事が好きで、絵描きになりたいと思っていました。

その後の夢はイラストレーターに変わりましたが、デザイナーになりたいとは全く思っていなかったです。

ただ、今はTシャツなどの手描きのグラフィックは私が描いているので、そこは夢が叶っていますね。

高校を卒業してからの進路に悩んでいると、母から『洋服がそんなに好きなんだから、デザイナーになれば』の一言で服飾の専門学校に行く事になりました。

専門学校の先生からは『1番好きなブランドには行かない方が良い。挫折した時に目標が無くなってしまうから』とアドバイスがあり、ギャルソンの事は考えない様にしました。

ただ、唯一プロパーで買っていた好きなブランドがあり、その会社に入れたので、骨を埋めるつもりでいました。

中堅クラスの会社だったので、原材料からオリジナルで作る事が出来る規模でした。

入社時から直属の上司がおらず、ニットとカットソーの企画、生地の開発、パターン、生産まで一人でこなしていたので、やりがいはありましたね。

しかし、ブランドの方向性が変わり、段々作りたい物では無くなって行き、その時期に自分の着たいTシャツを自分の為に作る事が楽しくなり…。

会社に属していた時は、3ヶ月に1回展示会があり、1回に100型程を進行しながら前回の現物の商品も進めていました。

そうなると、重なっている期間があり、実質新型は1ヶ月で100型同時進行しなくてはならず、一つの商品に対しての思い入れも薄くなっていました。

それに比べて、自分の着たい服を1型作るのに集中出来る事が楽しくてしょうがなく、気持ちとしては「独立したい」が先ではなく「作りたい」が先でした。

自分1人ならなんとかなるかな?とかなり楽観的でした。実際、明け方まで家でずっとプリントしてましたね、ビール飲みながら(笑)

展示会に疑問を感じていたので、ファーストシーズンは、1型デザインして、お店の方に見てもらい、オーダーを貰い、作って納品、そこでまたデザインして。その繰り返しをしていました。

出来れば、ずっと一人でやっていきたかったのですが、いざやってみると、一日中請求書を書いていたり、何をやっているか分からなくなって、無理でしたね。

 

● 1996年にパターン含めて全て自ら一人で手掛け「OVER THE STRIPES」をスタートさせました。

一般的に「ハンドメイド」で展開していた事になります。もし1996年では無く、2017年だったとしても、同じ様にスタートしたと思いますか?

 

  大嶺 保

時代やタイミングもあるのでイメージが出来ませんが、自分用になんらか作っていると思います。

 

● あの当時、私自身のお店で取り扱ってなくともブランドが話題になっていく工程は凄い記憶に残ってます。

時代的にもそうですが、実際に東京でブランド展開していたお店「MADE IN THE WOLRD」は「裏原宿」と呼ばれるストリートに有りましたし、あのシーンは今では想像出来ない程の巨大なブームでした。

未だにその流れはちゃんと有ると思いますが、当事者としてどういう状況だったと振り返りますか?

展開する店舗が有れど、其処までOVER THE STRIPESが属していたってイメージは有りませんが。それでも影響は大きかった筈です。

 

  大嶺 保

以前勤めていたブランドの、群馬の取引先のスタッフの方が独立して、セレクトショップを始め、その方が「GREMLiNS」のコレクターで、私のグレムリン・コレクションを見に遊びに来たところ、たまたま私の着ていた服を気に入ってもらい、取り扱いたいとの話になり、スタートする事になりました。

2店舗目の取り扱い先は、勤めていたブランドの直営店の店長が、個人的にOVER THE STRIPESのTシャツを着ていたところ、彼の友人のセレクトショップのオーナーさんの目に留まり、紹介して貰いました。

その後、雑誌でも取り扱って貰える様になりましたが、「東京にお店がないと掲載出来ない」と云う事が起き、困っていたところ、たまたま友人が「MADE IN THE WOLRD」のオーナーさんと知り合いで、その場で電話して貰うと『明日、商品見れますか?』となりました。

翌日、Tシャツ、スウェット、スタジャン、ダッフルコートなどをお店に持って行くと『気に入ったので、今、お店に並べてみませんか?』と、とんとん拍子で。

自宅に帰ると電話が鳴り『売れましたよ!』と、早速追加が有りました。

Tシャツに関しては、その3店舗分を刷る事が限界で、問い合わせの窓口を「MADE IN THE WOLRD」さんにお願いしていたので、新規のお店さんは全て断っていました。

「MADE IN THE WOLRD」さんからは『1週間ちょっとで完売させたい。2週間目に行くと無くなっていて、ある時に買わなきゃという数量で進めましょう』との事でしたが、何枚刷っても、1週間もたない感じでした(笑)今思うと異常でしたね。

 

● やはり「OVER THE STRIPES」と云えば1984年に公開した映画「GREMLiN:グレムリン」を連想する方も多いと思います。

実際にアレだけの知名度で未だにリバイバルしてない最後の大物キャラって感じもしますが、何故にあの映画だったのですか?

以前から「STARWARS」以上に何か惹き付けるものを感じていたのですか?僕は「MADMAX:マッドマックス」と「ALIEN:エイリアン」でしたが。

もう一つ重大な質問を。数年前から噂になっている「最新作」は本当に公開されると思いますか?それこそ「MADMAX」も同じでしたが。

 

  大嶺 保

沖縄生まれですが、当時娯楽的な事は「海/ボウリング/映画」みたいな感じで、小さい頃から映画館には良く行ってました。

衝撃だったのは、小4の時に観た「JAWS」で、最後のシーンでは映画館中拍手が起きる程で、これが最初のスピルバーグ(監督)体験でした。

後に「STARWARS」にもハマりましたが、中学の時の「E.T.」は2回も映画館に行き、高校の時の「GREMLiNS」で、スピルバーグが大好きな事を再確認しました。

もちろん「ALIEN」も大好きで、プロップを持っていたくらいですよ。

ワーナーの方に聞いた事がありますが、「GREMLiNS」の新作は、どうも作る事は決定しているらしいのですが、かなり極秘で進めるらしく、身内でも公開発表まで知らないそうです。

個人的には、CGではなく、プロップを希望します!

※プロップ……映画で使われる小道具を指します。単純に云えばCGで作ったキャラじゃなくて、実際に着ぐるみや縫いぐるみなど実質的な物を使用して撮影する事って云えば分かり易いでしょうか?

代表例だと「STARWARS」のエピソード1~3がCGで、エピソード4~6がプロップです。

 

● もう一つ。ブランドのモチーフでは可成り「ROCK」に関わるものが多くリリースされております。

世界中で「ROCK」が好きじゃなくともモチーフに使うブランドも多かったりするので、実際には危険且つナイーブな題材だったりもします。

大嶺さんは本当に好きだからこそ、デザインに落とし込んでいると思いますが、実際に自身に大きな影響(デザインと云う意味で無く、活動の全体を通してって意味です)を与えてくれたミュージシャン/バンドを教えて貰えますか?

 

  大嶺 保

子供の頃、沖縄のTVは「民放2局/NHK2局」だけでしたが、なんとアメリカ・チャンネル(軍用)も入ったので、MTVにかじりつき、「Michael」や「Prince」にハマってましたね。

当時、UKブームもあり「DURAN DURAN」「Culture CLUB」など色々とハマりましたが「Band Aid」をピークに急激に失速しました。それでも、大人になり「Warszawa」と云うレコード屋さん主催の「Warszawa Night」というCLUBイベントにハマり、再びUKのマイブームが来ました。

ブランドのスタート時期が「oasis」「blur」などと重なっていて、UKばかり聴いていましたね。

その後たまたまLIVEを観た「Radiohead」にハマってしまい、翌日「エレピ(エレクトリックピアノ)」を衝動買いした程です。もちろん弾けませんが(笑)

それ以降は、「Radiohead」を超えるものがないですね。「Radiohead」しか聴いてない時期があった位です。

 

● 大嶺さんは沖縄生まれとの事ですが、僕自身も年齢を重ねたら県民性ってのが存在するとハッキリと分かってきました。僕自身に当て嵌まるとは思ってませんが(笑)

自身が産まれた土地の影響って、大嶺さんは有ると思いますか?

あと、大嶺さん今度「沖縄旅行」を企画して下さい。行く切っ掛けになるので。

 

  大嶺 保

小学校に入学するタイミングで沖縄は日本に復帰したので、それまで$(ドル)を使っていて、きっと記憶している最後の世代かと。

私がキャラクターを好きな理由は、沖縄にあると思います。

「ミッキーマウス」や「フィリックス」etcに身近に接していて、東京に来てから気付いた事ですが、地元に帰省した時、国道58号線沿いの歯科や食べ物屋、お土産屋さんなどの看板が、キャラクター(オリジナル)だらけで、びっくりしました。きっとルーツですね。

ただ、私も遠藤さんと同じですが、ルーズでいい加減な沖縄タイムな県民性は、当て嵌りません!

 

● 2006年に新たなブランド「Enhance Element:エンハンス エレメント」をスタートさせました。

基本的に「OVER THE STRIPES」自体、コレクション形式でリリースしてる現在ですが、実際にコンセプト的なものは掲げないで展開してると、以前にお逢いした時もおっしゃっていました。

なので有る意味では分ける必要性も無いのか?とも云える訳ですが、何故「別の名義」でスタートする事になったのですか?

切っ掛けや理由を教えて下さい。

 

  大嶺 保

スタートして10年が近づいた時期に着たい物の幅が広がり、単純に歳を取ったのかもしれませんが、もう少し大人っぽい物も着たくなったんです。

セットアップや、落ち着いた色などを「OVER THE STRIPESとしてこなそうと思うと、中途半端というか、消化不良的な感じが起きてしまい…。

OVER THE STRIPESを変えるとブレるので、一層の事「別名義」で表現すれば、その時々で新しい表現が出来る気がして。そのタイミングがたまたま10周年でした。

 

● ブランドをスタートしてから、もう可成りの年月が経ちました。実際に同時期にスタートしたブランドも活動停止してるのも多い筈です。

コレだけの長い年月を続けられた理由は一概に「購入者が途絶えない」だけでは無いと思います。

当然ながら90年代と違い、近年は洋服の価値観が変わっており、制作する側や販売する側含めて、本当に節目になる様な時代だと思います。

現状での『モチベーションって何だ?』と、改めて考えたりした事って有りますか?

 

  大嶺 保

あの裏原ブームの時(時期的には第一世代かと思います)周りは昔からの仲間がコラボして盛り上がっている感じがありましたが、私はたまたま卸し先が裏原宿のエリアだっただけなので、コラボ的な事も無く、全く別な立ち位置でした。

事務所も、原宿からは少し離れた方が落ち着くかと思い代官山にしました。

高校生の時にDCブームを体感して、衰退した状況も見ていたので、裏原ブームもそんなに続かないと思っていました。

周りは、どんどんスタッフが増えて会社も大きくなって行きましたが、私は正直あまり大きくしたいとは思っていなかったので、その時、無理をしなかった事も良かったんじゃないかと思います。

モチベーション的には、いつも周りの取り引き先の方や、支持して貰っている方に喜んで頂ける事が1番です。

 

● 僕は展示会でもお伝えしてましたが、2つのブランドでサイズバランスが本当に素晴らしいと思っています。

流行問わず、サイズを広く(実際にサイズスペックと云う意味で)展開してるのは本当に素晴らしいと思います。

勿論、昔からのファンが体系が変わってきたのも有るでしょうし、海外での展開も有るので、その辺も含まれているでしょうが、それでも以前から小さいサイズから本当に大きなサイズまで幅広く展開していたと思います。可成り珍しいです。

その辺はどういった理由だったりするのでしょうか?

 

  大嶺 保

そうですね。あまり考えた事が無かったんですが、当初のサイズは、レディースがXSのワンサイズ、メンズがMとLのみでした。

自分基準のLサイズが大きかった為、Mも大きくなり、XSとMの間を希望される方が増えてSが出来て、Lで厳しい方の為にXLを作った感じなので、この事も自然な流れで広がった感じですね。

 

● 先程の質問でも書いてますが、海外での展開についての質問です。

県民性以上に、国が違えば食べ物/着る物/喋る言葉も違います。

海外の方と日本の方のブランドに対して注目されてる部分は、どういった違いを感じますか?

 

  大嶺 保

物作りにあたり、何かっぽい物にならない様に「他に無い面白い物」「着た時にテンションの上がる服」を作れれば良いな、と思っています。

海外の方はバイヤーさんとしか接しておりませんが、自分が良いと思えば、単純に反応して貰えます。自分が良いと思った物はユーザーにも理解して貰える、お店自体がブランドという自信からなのかも知れません。

日本では、ブランドのイメージが先にきている感じ(※アイテムのデザインでは無くブランドネーム力が大事って意味だと思います)がします。なので、単純にその商品を気に入って貰えると嬉しいです。

日本の場合ですが、某有名百貨店の方に『御社のブランドのお友達はどのブランドですか?お友達が分からないので、他ブランドとのコーディネートの提案が難しい』と言われた事がありましたが、私の目指す「何かっぽく無い」に近づけたと感じました(笑)

 

● 僕も最近テレビで大嶺さんが手掛ける洋服を見かけたばかりです。それは大好きな「笑福亭鶴瓶」さんが着用してました。

以前から本当にスタイリストさんのセンスも有るでしょうが、「着こなす」と云う言葉がピッタリの洋服に愛されている表情や佇まい、体系の方だと思います。

この辺の「タレントさんが着用してる事」は、デザイナーが自ら語る事は売名行為と思われる危惧も有るので、控える方が多いと思います。

ですが、僕は凄い良い切っ掛けだと思います。

そういった自分の好きな著名人(タレントやミュージシャン)が着用してるアイテムを着たいと思うのは普通だし、それによってセンスも広がる機会になってると思うので。

実際に目や感覚の肥えた優れた方が評価してる訳で、自慢すべき事だと思います。

もし問題なければ、話せる範囲で良いのでどんな方が展示会やお店に遊びに来てくれてるか教えて貰えますか?

 

  大嶺 保

先にお話しされている様に、難しい質問ですね。

鶴瓶さんは、テレビ番組の「A-Studio」で槇原敬之さんがゲストの時に取材に来て頂き、その際、取材より自身の買い物メインになり、スタッフの方にもプレゼントしていました(笑)

自分から『俺が広告塔や!』と公言して頂き、本当に今でも頻繁に来て頂いているので嬉しい限りです。

槇原敬之さんは、面白い事に以前に勤めていた会社のブランドのお客様で、当時の店長からは『また沢山買って頂きました』との報告を聞いていました。

独立した後、たまたま共通の知り合いのヘアメイクさんが着ていたところ、気に入って頂き、お会いした際に独立する前の事を聞かれ、前のブランドの話をすると『やっぱり!好きな理由が分かった!!』と話して頂き嬉しかったですね。

後に「セレブレーション」というLIVEの衣装デザインを担当した際は感無量でした!

鈴木一真さんも知り合う前から毎年雑誌で、好きな物として紹介して頂いていました。

カタログにも何度もモデルとして出て頂き、プライベートでも仲良くして貰っています。

この方達は、ご本人からも公表して頂いているので良いのですが、他に仲良くさせて頂いている方もおりますが、影響力が大き過ぎて、売名行為と言うより、その方に迷惑がかかるといけなかったり、プライベートで来て頂いているので、これ以上は申し訳ありません。

 

● 長くなりましたが、そろそろ最後になります。

今季から初めて知って興味を持ってくれる方も、全国で可成り多い筈です。

そんな新しいお客様にメッセージを頂けますか?

そして、長年購入してる方も今後、僕らのお店でお買い物して貰えるかもしれません。

そんな昔からのお客様にもメッセージを。

 

  大嶺 保

人も洋服も「first impression」が大切で、出会いだと思います。

毎シーズン色々な方の目に触れ、出会って貰えると嬉しいです。

 

● 今回は有り難う御座いました。まだ一度しかお逢いしてませんが、2時間と云う短い東京滞在時間が許す限り(笑)

先日は事務所でお話させて貰いました。

僕の印象は実際に僕のお店や御利用して下さるお客様の印象にも近いと思います。

どういった印象を持ちましたか?そしてインタビューを終えた感想も是非。

 

  大嶺 保

遠藤さんとの2時間が「あっという間」でしたね。嵐の様な勢いでした(笑)

当然ですが、遠藤さんも長くお店を継続されている理由が有り、会ってみて分かった事が、

とても「CLEVER」な人だと思いました。

もちろん勢いもありますが、それだけではない成功する為の行動力など、私が会った事の無いタイプの人ですね。

 

● 有り難う御座いました。これからも末永く宜しくお願い致します。

 

  大嶺 保

この様なアプローチをさせて頂ける事も異例で、有り難いです。

今後がとても楽しみです。

こちらこそ、末永く宜しくお願い致します。

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

THE TURQUOISE インタビュー

先日開催された弊社主催イベント「COLOUR SCENE」でのライヴも大盛況に終わった<THE TURQUOISE>。

コチラでは先日オンエアされた<THE TURQUOISE>のメンバーが1時時間番組ジャックし大好評だったラジオプログラム「HAPPY TOGETHER」の内容を公開!

ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。(放送時にオンエアされた楽曲部分はカットしてあります。ご了承下さいませ。)

Personality : 直江慶/小川博永/河野瞬( THE TURQUOISE )
Assistant : 遠藤博美( SIDEMILITIAinc. 代表 )

 

 

 

・THE TURQUOISE official web site

・THE TURQUOISE official Twitter

・THE TURQUOISE official Facebook

 

THE TURQUOISE 1st Album 『 Way More Than Expected 』

1st Album 『 Way More Than Expected 』

1.Flowers in the Shadow
2.Just Want You to Know
3.Further Away
4.Free
5.Smile
6.Interlude~Shiny Foot~
7.Little Foot (Way More Than Expected Mix)
8.Walk
9.Don’t Stop the Musik!
10.Blue
11.YGY
12.Change the World
11.The Only Thing

 

 

 

 

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

CQ : 笹渕 啓史&澁谷 潤 インタビュー

先日開催された弊社主催イベント「COLOUR SCENE」でのライヴも大盛況に終わった<CQ>。

コチラではラジオプログラム「HAPPY TOGETHER」でオンエアされた笹渕 啓史/澁谷 潤のロングインタビューの内容を公開!

放送後も非常に反響の大きかった貴重なインタビュー。

ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。

(放送時にオンエアされた楽曲部分はカットしてあります。ご了承下さいませ。)

Interview : 笹渕 啓史/澁谷 潤( CQ ) Interviewer : 遠藤博美( SIDEMILITIAinc. 代表 )

 

 

・CQ official web site

・CQ official web shop

・CQ official Twitter

・笹渕 啓史 official Twitter

・澁谷 潤 official Twitter

 

 

CQ New Album

「Communication,Cultural,Curiosity Quotient」

01. Disco Crimson
02. Primal
03. Strummer
04. Romance
05. Alien vs
06. Bradley Goes To Summer’s End
07. Last Song
08. Discord

ライヴ会場のみ発売の過去作品全てが即日完売となった噂の彼らが満を持して遂にデビュー!
DEAD ENDのMorrieバンド、Creature Creatureのドラマーであり、KANA-BOON、KEYTALK等のドラムチューナーとしても名高い、笹渕啓史率いる轟音オルタナ・ロックバンド『CQ』。
アルバム「Communication,Cultural,Curiosity Quotient」2016年11月2日発売!
タワーレコード新潟店で試聴機展開中!

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

THE TURQUOISE : 直江慶 インタビュー

<OCEANLANE>の活動休止後、2012年から新たに直江慶が結成したバンド<THE TURQUOISE>のファーストアルバムが2016年12月7日にリリースされました。

それに伴い来年の2017年1月6日には弊社主催イベント「COLOUR SCENE」にゲストに招き開催する事も決定したので、久々にインタビューさせて貰う事になりました。

彼との付き合いは2008年前後位からだと思いますが、振り返ると思ってるより短いなと感じます。それだけ公私ともに濃厚な付き合いをさせて貰ってるのだなと実感。

それでは既にファンの方はごゆっくりとアルバムを聴きながら、知らなかった方はどんなバンドなのか?興味深く判断してみて下さい。気に入ったらアルバムやライヴを楽しんで下さいませ。

Interview. 直江慶(THE TURQUOISE)  Interviewer. 遠藤博美(SIDEMILITIAinc.代表)

 

・THE TURQUOISE official web site

・THE TURQUOISE official Twitter

・THE TURQUOISE official Facebook

直江慶 official Twitter

 

● 今回は宜しくお願い致します。それにしてもアルバムリリースまで長かったですねぇ。

個人的にはもっと早くリリースされると思ってました。まぁ実際に今日までリリースした音源(17曲)を全て一緒にすればアルバムのヴォリュームにはなるので、もっと早い段階でもリリースは可能だったと思いますが。

これだけの時間が掛かった理由を最初に教えて貰えますか?

 

  直江慶

確かに早くリリースしようと思ったら1stアルバムはもっと早かったかもしれません。

ただ、初期の頃はアルバムに向けてのビジョンが見えてこなかった。あとは一緒に協力してくれるレーベルを探していたのは事実として有ります。

自分達だけで音源を作って、宣伝して、発売というのは既に経験した事なので、<THE TURQUOISE>の音楽に共感して、共に音楽を広めてくれるレーベルを探していました。「より多くの人に届けていけたら」という思いも有りまして。

2016年の初頭位に、元々僕が他のサポートやっていた時にお世話になったディレクターさんに久しぶりに会う機会が有りまして実際<THE TURQUOISE>のライブを観て下さり、『アルバムを制作するからレーベルを探している』と話した所、快く『一緒にやりましょう』という流れになりました。

その方が運営する「Art full days」と<THE TURQUOISE>の自主レーベル「December records」がタッグを組んでアルバムを作ろうという事になりました。

結成当初は「会場限定CD」を発売しながらの活動だったので自由な作風で制作していましたが、アルバムという1枚の流れに沿った作品を作る上でのハードルは自分の中で相当高かったです。

アルバムだからこその楽曲/アレンジ/サウンドの全てにおいてクリアにしてから発表したいという気持ちはありました。「1曲だけ良くても駄目、全部良い曲じゃないと意味が無い」といつも思ってます。待ちくたびれたファンもいるとは思いますが、買って後悔させないアルバムになった自信は有ります。

 

● 結成当初から私自身は、<OCEANLANE>とは違うもっとよりシンプルな音楽を追求していくバンドだと思っていました。

トリオ編成でも有りますし、簡単に言えば今まで以上に骨太なロックンロール的サウンドになるのかなと。

ですが、アルバムリリース前に発表した過去の音源含めても直江慶のミュージシャンの流れに寄添った楽曲だと思います。

結成当初の頭に浮かんだイメージと今日に至るまでのバンドに対するヴィジョンの変化って有ったりしますか?

 

  直江慶

当初は確かにシンプルな3ピースロックバンドがイメージに有りました。

ただ骨太のロックンロールは好みなのですが、自分の歌声がそこにハマるかというと違うような気がするといつも思っていました。

だから自分の歌声のポイントで楽に聞こえたり、不自然ではない感じの楽曲を求めていたかもしれません。

なので、骨太な要素は「ある意味」控えめにしつつ、逆に心の深い部分に響くような楽曲を中心に作れたら…そこにヒントが有るのかなという思いがあり、今回は聞かせる歌が多めなのかもしれません。ただ、いつも気持ち的には「骨太」をコンセプトにしたアルバムは作りたいですけどね。

やっぱりライブ感溢れる荒っぽい、ラフな演奏とかって魂に響きますから。

REC時にギターのレイヤリングを極力シンプルにしたような楽曲も自分は好きですし。ただ制作において時間もかなりあったので頭に鳴っている音を全部形にしていきたい願望があり、今回そこは素直に表現したかった。

少し先の話ですが、今後はアルバムコンセプトや作風を決めてから制作に取り組もうかなとは考えています。何かと制約の中で広げるのはやりがいを感じるかなと個人的に思っています。

 

● 多分、僕が初めて慶くんのライヴを観たのは2005年<JIMMY EAT WORLD>との共演だったかな?…兎に角、何かとの共演の時だったと思うけど、<OCEANLANE>が自主で2003年にシングルをリリースしてからを考えると、もうデビューしてから可成りの年月が経ちました。

当たり前ですが、此処まで長く音楽活動を続けているとライヴや楽曲含め、色々と気付かなかった部分が見えてくると思います。

今一番ミュージシャンとして大事にしている事は何ですか?

 

  直江慶

こう長年やっていると日々の暮らしや耳にする音楽にもマンネリする訳で、常に耳に刺激を入れる事は大事にしてますね。

「Spotify」や「Apple music」で古いものから新しいもの、はたまたラジオで初めて聞いた曲とかは、Shazamしてメモりますね。お勉強と云うよりは、やはり何かしら刺激を与える為に沢山聴ける様にしてます。

先ず大事な部分として「自分が本当に作りたい音楽を楽しんで作れているか?」ここがベースです。

常に自分に問いかけているかもしれないです。勿論、作る過程で苦しむのも含めて。

あとは直感で出て来たアイディアが大事です。これがなくちゃ人に伝えたい/表現したいと思えないだろうし、素直に出て来たものというのは自身にも聴いて貰う側にも「深く心」に響いていくものだと思います。

ライブはお客さんが直接「体験」として音楽を聴いてくれている。それは僕らが活動する上で凄くモチベーションが上がってゆく場所だし、毎回ライブに来てくれている方々をずっと大切にしたいです。

ライブに関しても曲作りに関しても「成長していきたい」と云う気持ちは、誰でもそうでしょうけど謙虚を忘れずに大事にしたいですね……めちゃ真面目だな~俺(笑)

 

● さて、ファーストアルバムですが全13曲と可成りのヴォリュームになったと思います。

当然ながら今の時代に反映された音作りだとも思いますし、慶くんが最も影響を受けているであろう90年代全般のUK産ロック・サウンドも色濃く感じます。

ですが、今作の特徴は楽曲のアレンジです。とても予想外なアレンジが多かったと思いました。特に1曲目から2曲目に掛けての2曲は以前から聴き続けてる者としては意外でしたし、インパクトも強かったです。

そんなアレンジが今作の一番の特徴とも云えるかなと。実際に慶くんのミュージシャンとして最も得意で有ろうなと思うの部分も僕の中では「自身が作った楽曲のアレンジ力」だったりします。

自身でそのアレンジって部分は、楽曲全体として時間をかける比重は大きかったりしますか?

又、作曲の段階で既に頭に全体像が浮かび、バンドでのセッション等で寧ろ削っていくタイプですか?

それとも骨組みだけを作り、バンドとして足していくタイプですか?

 

  直江慶

アレンジは一番「時間が掛かる」ところです。曲は気付いたらなんとなく断片だったり、もしくは丸々出来てる時も有るけれど、アレンジとなると頭を悩ませます。

「Flowers in the shadow」(※ファーストアルバム:TRACK.1)については<THE TURQUOISE>結成前にデモが有りましたが、サビ以外納得いかず放置しておいて、ほぼ忘れかけの状態でした。

今回はドラムの瞬が『あの例の曲、アルバム入にれてもいいんじゅないかな?』の一言でまた作り直して、再度チャレンジしました。

途中のシンガロング・パート、ドラムソロも当初は無かったですし、この時代に来てのアレンジになったかと思います。作り直した結果驚くほど良い曲になったと思ってます。でも意外と試行錯誤しますね。

「Just want you to know」(※ファーストアルバム:TRACK.2)に関しては、セッションしながらアレンジを構築しました。この場合スタジオで録ったものを持ち帰り、何が足りないか悩むという一番時間が掛かる作業ですね。

最終的にサビに辿り着くまで色々と試しました。ソロでは無くバンドでやるからこそ沢山アイディアが出てくるし、アレンジも試せるので、がっつりと作り込んだりはしてないですね。

たいていセッションしたトラックを何度も聞いて、そこからまたデモを練り直したり、スタジオで発展させます。

本来、楽曲が良ければどんなアレンジでも成立すると思いますし、ここはバンドの状態が「もろに映し出される」ところですね。

 

● 少しナイーブな質問を。やはりアレだけの日本の音楽シーンに功績を残したバンド<OCEANLANE>を活動休止した後に結成したバンドです。

ファンからの声や願望も普通に結成した新しいバンドと違って、より大きく聞こえてくる筈です。

それに対する葛藤や迷いも当然ながら有る/有ったと思います。自分が自分に比べられるみたいなもんですからね。

その辺は以前から個人的に話した事も多々有りましたし、色々と思いや考えは有るのも分かった上で、実際に貴方の楽曲なんだからもっと<OCEANLANE>の曲をプレイするべきだと伝えてました。

全ては地続きだと思っているし、作曲者は親なんだから、ずっと育てて(歌い続けて)いって欲しいと願います。

今はどんな心境だったりしますか?

 

  直江慶

今は特に何も気にしなくなりました。

過去の作品はその時に表現したかった事、考えていたような音が鳴らされてるから、今になって聴き直すとたまに「何でこんな曲が出来たのか?」と不思議に思う時もあります。

でも自分では今書いてる曲が一番良いと思ってるし、そこがちゃんとお客さんに伝われば、それが本望ですね。

昔の曲が聴きたいのは分かるし、そこは躊躇せずやろうかなとは思っていますよ。

だから「リクエスト」とかあれば、今後もガンガンやりたいですよね。だから昔から応援してくれている方には、もっと僕に声を聞かせて欲しいです。<br />実際に僕自身はそんなに「フィードバック」を感じてなかったりしますので(笑) 今回のアルバム「Way more than expected」の感想だって聞きたいですよ。SNS経由でも良いので。

博美さんみたいに『過去の曲もずっとやり続けなさい』って言ってくれたのは、ただ1人ですよ。世界で僕には(笑)だから、THE TURQUOISEの初期の段階で「COLOUR SCENE」にゲストで招かれて、実際<OCEANLANE>の曲をライブでやって、凄く良かったと思ってます。

 

● うん。実際に活動休止直後、そして新たなバンドを始動した時に個人的に連絡を取り合っていた中でも、確かに僕は言い続けていたと思います。

その中での慶くんの言葉で「辛い」とか「しんどい」ってワードが有り、印象強く残っています。

それは活動休止したからって訳では無く、違う意味だった筈です。

新たな始動の時に過去を振り返るのは誰もが抵抗有るのは分かりますが、ちょっと慶くんからのニュアンスは違う様に感じてました。

今、振り返ればあの頃はどんな心境だったと思いますか?

僕は10年後でも良いので、<THE TURQUOISE>と<創くんのバンド/プロジェクト>と<OCEANLANE>のトリプル・パッケージを僕の企画で開催しようと今から企てていますが。

フロント二人は1日で2セット出演になり、過労死寸前になるのを承知で(笑)

 

  直江慶

うん。僕はライブを最後にきちんとやって一度リセットしたかったですが、その時はバンド自体がそんな状態でもなくて。せめてファンの人達へ向けて、直接ケジメのライブをしたかったですよね。

ある意味では逃げるような形に受けて取れてしまっても仕方が無い様に<OCEANLANE>を活動休止させた事は、凄く後悔というか…成仏出来ない/行き場の無い気持ちを感じていました。

個人的にはその時期は、がむしゃらに次へ向けて進んでいたので、ソロのアコギ・ライブとか、サポートでライブをやったり「連続7日間」も毎日ライブしたり。思い返せば「ポジティブ」には行動はしていたなと思います。

それと同時に博美さんにも、弱音を聞いて欲しかったのかもしれないですね……やっぱり一人っ子なので(笑)

それでもライブだけは好きなんでしょうね。

博美さん「ただ1人だけ」ですよ、そんなパッケージ企画を考えてくれるの(笑)まあ未来は予測不可能ですから(笑)

<OCEANLANE>として作った音楽は今も聴いてくれてる人がいるなら、それだけで誇りに思えます。

常々バンドが重要じゃなくて「音楽だけがずっと心に残ればいい」と思っています。

 

● 成る程。いやいや、僕も個人的に人生で一番弱った時に電話で何度も慶くんに助けて貰いましたからね(笑)

そして貴方の楽曲「NAME」と「ENEMY」、この2曲に本当に救われました。

あと僕だけじゃなくて、本当にトリプル企画を開催したら全国から集うと思いますので、心の準備を今からしてて下さい(更笑)

さっきの回答で「コンセプト・アルバム」と有りましたが、実際に僕が考えるに直江慶と云うミュージシャンに向いているの思ってる一つが「長尺の楽曲」です。

アレンジや構成が得意だからこそ、そう思うのです。ですが、現状では<OCEANLANE>時代から其処まで長い楽曲は有りません。

ですが、「 Battleground (Unwarned Sound)」や「Ships and Stars」などは、確実にもっと長い長編の楽曲でも良いし、そんなヴァージョンもライヴで聴いてみたいとずっと思ってました。

極端な話、10分位の楽曲にチャレンジしたら凄い良い楽曲が産まれるんじゃないか?と。この辺はどうお考えですか?

それともう一つ、上記の2つの楽曲もそうですが、慶くんはやはり叙情性が有り、切ない旋律の楽曲が素晴らしいと思っています。

実はこの辺も、得意だからこそなのか?はたまた単純にマイナーコードよりメジャーコードが好きだからなのか?分かりませんが、今作でもほぼ皆無です。

僕はライトな楽曲よりもヘヴィ(重い)な楽曲が似合うし、向いていると思っています。

因に今作だと「Blue」(ファーストアルバム:TRACK.10)がヴォーカルラインはキャッチーですが、楽曲のレイアウトに「影」を感じてて、好きだったりします。

この辺もどうお考えですか?

 

  直江慶

いやーこんな深い質問投げかけられてしまうと悩ましいし、すごく考えちゃいますね。

先ず結論から言うと、僕は「長尺の楽曲」に魅力は感じていないんです。

今回のアルバムで云えば、意識的に3分位の短い曲を集めて、全体で40分位のアルバムを作りたかった。

アレンジとかをしている時も、小川君に『この部分いらないですよねっ?』て逐一確認しながら進めてました(笑)

『どっちでも成立する』と答えが返って来たりしましたが(笑)

大きな理由の一つに、個人的には短い方がまた聴きたくなりますから。長い曲は聞くにも体力がいるし。

<OCEANLANE>の「1st Album」だってそうです。散々僕は『曲だけは短い方が良いから』と主張しまくった男ですから。

まず長い曲を作ると、それに見合う評価が仮になかった時はもう絶対的に凹みますし(笑)

でもね、博美さん。ここまで言われたら作ろうかなとも思いましたよ。

そして、やるならば途中で「クラシックの旋律を」を入れる。もしくは何時の作品だったか忘れましたが<GREEN DAY>のアルバムに有った「異なった3曲が合体」した様な長尺な楽曲を。

※GREEN DAYのアルバム……2009年に発売した彼等の8枚目のアルバム「21st Century Breakdown」を指していると思います。

欲を言えば<QUEEN>の「Bohemian Rhapsody」ですよね。あんなに美しい楽曲が出来た時にはいつ死んでも後悔はないですから。博美さん「プロデューサー」として監修してくださいね(ウインク)

あとは「切ない旋律」についてですが、それは確かに得意かもしれません。

元々の自分の根底に有るものってのは、10代の時から儚く、切ないメロディーにどっぷり浸かってた時期に聴いていた音楽だと思いますから。性格的に寂しがり屋ですし、そういったメロディーが自分に未来をくれたし、救ってくれた。

おばあちゃんとテレビで見てた演歌や歌謡の歌番組に始まり、<THE BEATLES>の洗礼を受けて、<QUEEN>、<OASIS>、そして<JIMMY EAT WORLD>など…。

話は戻って、ライトとヘヴィで云えばバランスが取れていたら何でも成立するかと思います。今作が「ライトな感触」なのは自分でも気付いてて、何でそうなったのか?それは正直、自分でも分からないんです。

「Blue」は僕の感覚から云うと、めちゃめちゃポップな気がします。ただ「マイナーな曲が声に合っている」という反響を周りでも聞く事が多いです。

 

● 慶くんの作る楽曲はずっと英詩だったけど、<THE TURQUOISE>を結成してから日本語の歌詞も増えてきました。

僕自身は今でも英詩だけで良いかなと思うファンの一人ですが、それは日本語が格好悪いとかでは無く、単純に慶くんの作る楽曲や声質の相性としてそう思います。

海外のアーティストがアルバムに日本語のリリックが有る楽曲を何曲も収録していたら、良い悪いじゃなくて、感覚として違和感が有るって云えば分かりますでしょうか?1曲だけで良いかなと。

実際に今はメジャーシーンでも英詩のアーティストも増えてきてはいます。

ラジオやライヴでのMCなどで、それについての発言は有ったりしましたが、改めて此処数年での日本語の歌詞が増えていった理由を教えて貰えますか?

 

  直江慶

仰ってることは理解出来ます。英語なら英語だけのアルバム、日本語なら日本語だけのアルバムもいいかもしれないと今、思いました。

実際に日本語で歌詞を書いたらかなり楽だった事は確かです。母国語ですし、慣れているから。

ある意味これは「自分への挑戦」といいますか、日本語だと「どんな詩」が出るのか興味が有りますし、新鮮です。

先程も少し書きましたが、楽曲制作だけでなく、作詞の面でも自分に刺激を与え、創作意欲が湧けば自分にとってそれは良い流れを与えてくれるかなと思ってます。

あとは曲のサウンドやメロディーで「この曲は日本語が合いそうだ」とかは直感的に分かるので、それに従っています。

アルバム制作している時に1曲だけ日本語の楽曲をボツにしました。

デモを聴いてみると、なんか…俺、歌えてないなって(笑)

それは歌詞/曲ともに小川君の曲でしたが、どーも自分の歌がしっくり乗れてなかったです。

ここ最近は世界的に見ても日本語に興味を持つ外国人も増えましたし、どちらも「フレキシブルに表現する時代」に突入したという感じますね。

 

● 次は少し楽しめる質問を2つほど(でも、真剣に考えて下さいね)海外でのオールジャンルで構成される有名なフェスに出演するとします。

とても良い時間帯に特別に3曲だけプレイ出来るとしたら、どんな選曲になりますか?曲順や理由も含めて考えて下さい。

 

  直江慶

1曲目/Nowhere boy

理由/3人が目立てるパートが有りますし、なんと言ってもベースリフとギターリフのマリアージュが最高です。

2曲目/Further away

理由/夕方ぐらいに演奏出来たら、フェスの空気と溶け合う事必至。

3曲目/Flowers in the shadow

理由/現在進行形の<THE TURQUOISE>を感じて貰えるから。

 

● もう一つ。<THE TURQUISE>の楽曲を自分の好きなミュージシャン達がカヴァーしてアルバムを1枚制作してくれるとします。

各パートを考えてみて下さい。理由も一緒に。

 

  直江慶

ヴォーカル/RYAN ADAMS

理由/泣きのヴォーカルで歌って欲しい。<TAYLOR SWIFT>のアルバム「1978」を全てカヴァーしてて、それが凄く良かったから。

※ 因に彼の「1974」ってアルバムは傑作です。僕個人として産まれた年がアルバム・タイトルなんで思い入れが強い作品です(遠藤)

ギター/JOHNNY MARR(ex.THE SMITHS)

理由/美しいアルペジオ・アレンジで包み込んで欲しい。

ベース/NATE MENDEL(FOO FIGHTERS)

理由/昔、彼が在籍していたバンド<sunny day real estate>での印象深いフレーズが今でも大好き。

ドラム/ZAK STARKEY(THE BEATLESのドラマーであるRINGO STARRの息子)

理由/OASISにいたから。

 

● 慶くんは海外にも行く機会は多い方ですし、実際に海外の方との交流や繋がりも他のミュージシャンよりは多い方だと思います。

そんな海外の方々は慶くんの音楽を聴いて、どんなリアクションが多いですか?どんな側面を注目する傾向が有ったりしますか?日本人と変わりません?

 

  直江慶

どうなんでしょうか?そんなに海外のファンからフィードバックを感じてませんが(笑)

フランス人の女性で一度インタビュー(バイパーマガジン)をしてくれた方がいて、その人は映画「Beck」に提供した「Looking back」で、<THE TURQUOISE>を知ってくれたそうですが、とてもバンドに興味を持ってくれていたので嬉しかったですね。

まぁ、完全に映画から来ているので何とも分からないけれど、熱心に聴いてくれるのは有り難いです。

 

● 違う違う!(笑)海外のファンの方ってよりも、友人や知人などが慶くんの音楽を聴いてどういった感想を持っているのか?を聞きたいのです。

やっぱり日本の方々とはリアクションや好きな楽曲は違うでしょ?

 

  直江慶

友達は口ずさんだりしてくれますよ! 最近は外国人の人もライブに来てくれました。

いつもライブに来てくれるイギリス人のファンは「Don’t Stop the Musik!」(※ファーストアルバム:TRACK.9)をリピートしてるみたいです。

瞬がルームシェアしてたタイ人の人は「Free」(※ファーストアルバム:TRACK.4)が気に入ったみたいで、デモの段階で『凄く好き』て言ってくれました。部屋でも歌ってくれてるみたいですよ。

クリスマス・プレゼントで、せっせと今アルバムを海外の友達に送ってます。なので感想はまだ先ですかね。

 

● <THE TURQUOISE>のメンバーで有るベースの小川博永さん、そしてドラムの河野 瞬さん。

この二人との付き合いも長くなりました。

バンドのリーダーとしてこの二人のミュージシャンとしての惹かれている部分や特徴を教えて下さい。やはり結成当初とは変わってきましたか?

 

  直江慶

2人とも経験あるプレイヤーとして尊敬していますし、既に独自のスタイルが出来上がっていると思ってます。

ドラマーの瞬はですね……末っ子なので、甘える感じは昔と変わらないですかね(笑)

曲作りリハの時は、フレーズがっつり忘れてる事が有るのでヒヤヒヤしますが(苦笑)本当にドラム叩くの好きなんだろうな~と思います。

パフォーマンス自体も本当に上手いと思いますし、これからも宜しくねという感じです。

ベースの小川君は、一時期自分がバンドを前に進めていく中で同じような行程(曲作りやライブなど)に対して、モチベーションが湧かない時期がありまして……そんな時にも、なんとなく引っ張ってくれる、そんな存在ですね。

RECの時にも厳しくジャッジメントをしてくれますし、小川君みたいな人がいたほうが僕みたいな甘ったれはビシっとやらなきゃという思いになります。

基本的には<THE TURQUOISE>は不思議な力関係でバンドを進めていってるなという気はしてます。

 

● ファンでも気付いてない事に、慶くんは様々な映画やCMなどに楽曲提供していたりします。メジャーアクトとの共演などでメジャーなテレビ番組に出演してる事を含めて。

もっとアピールしても僕は良いと思いますが、何気なくって感じが多いです。

その辺は理由や考えが有ったりするんですか?

 

  直江慶

アピール偏差値は少ないですよね……もっとやらなくちゃなと思う時も有りますが、『その辺を積極的にアピールするのも何か違うかなぁ』って気もします。一人っ子だからですかね。

そんな提供してる感覚はないですが、最近だと楽曲提供したのは「平野ゆり丸」さんがいます。

驚くほど自分が作った曲が、ポップでアイドル路線に変わったので、アレンジ関係なく歌う人のパワーやオーラ的な要素で曲が此処まで変化する事に改めて感動しましたね。

「サンデーモーニング」という楽曲を提供して、彼女のライブでお客さんがガンガン踊ったり、何故か集団で「腹筋運動」したり!?と凄い嬉しいのと同時に、不思議な気持ちになりました。

今後メジャー・アーティストとやる時は、我が先にと宣伝しますね(笑)

 

● ファーストアルバムを聴いて思った事の一つに、「メンバーを増やしても良いんじゃないか?」って点です。

先程も書いた事に繋がりますが、現状の音楽性だったらキーボードやピアノを増やしたり、ギターをもう一本増やしても良いんじゃないかと。

僕なんかは女性のメンバーをキーボードかギターで入れて、コーラスワークに厚みを出したら更に格好良くなるんじゃないかって気がします。楽曲的にもステージの見た目的にも相性が良さそうと。

それとも3人編成に拘っていますか?その辺はどうお考えでしょうか。

 

  直江慶

そうなんです、さすが博美兄さん!!わかってらっしゃる。

3人でバンドをやってますが、これは結成当初に「リハスケジュールも合わせ易い」さらに「サウンド含めてライブ映えもする素晴らしい最低限のアンサンブル」に可能性を見いだしてるからこその編成と思っています。でも同時に「アディショナルでミュージシャンを入れても良い」って考えは常に持っています。

その辺には余り拘りは無いです。断言します。

ただ、無理してキーボードを探すかというと、そこまでの気持ちはなく…具体的な話も無いですし。

その時がきたら女性のキーボードも入れてバンド組みたいなと思ってます。今まで女性とバンドやったことないので、なんか緊張しそうですが(笑)

 

● 長くなりましたが、最後に長年のファンへ、そして最近知ったファンの方々にそれぞれ別々にメッセージを頂けますか?

そして2017年1月6日(金)にCOLOUR SCENEのゲストが決定致しました。

会場に駆けつける方々にもメッセージをお願い致します。

 

  直江慶

いつも応援有り難う御座います。

現在進行系をいつも応援してくださっている方々には本当に抱きしめたい位に感謝してます。

今回のアルバムでより深く<THE TURQUOISE>の音楽に浸って欲しいなと思います。

初めて聞いてくれた人には来年から始まるリリースツアーでの会場で是非お逢い出来ればと思います。待ってますね。

新潟と云うか「COLOUR SCENE」には沢山の思い出が有りますし、毎回来てくれてる方々の顔も覚えている位に、いつもアットホームな感覚でライブが出来る数少ない場所です。皆で最高の夜にしましょう!!いつも本当に有り難うね。

 

● それでは久々だった今回のインタビューの感想を教えて下さいませ。

 

  直江慶

何気に今までバンド史を振り返る事が無かったのですが、今回とても良い機会になりました。

他にはない貴重なインタビューを有り難うございました。

 

THE TURQUOISE 1st Album 『 Way More Than Expected 』

1st Album 『 Way More Than Expected 』

1.Flowers in the Shadow
2.Just Want You to Know
3.Further Away
4.Free
5.Smile
6.Interlude~Shiny Foot~
7.Little Foot (Way More Than Expected Mix)
8.Walk
9.Don’t Stop the Musik!
10.Blue
11.YGY
12.Change the World
11.The Only Thing

 

■ リリースツアー開催!ツアー初日公演は新潟<COLOUR SCENE>

 

THE TURQUOISE LIMITED T-SHIRTSをイベント会場先行発売!

 

 

 

 

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE

ISHIYA(FORWARD/DEATH SIDE)インタビュー

前回の第一弾もリリースされたこと自体が衝撃的だった<DEATH SIDE>のTシャツですが、海外でのライヴで発売されたモデルを含む第二弾のリリースが決定し、今回も弊社で展開させて頂くことになりました。

このリリースを記念して<FORWARD>そして<DEATH SIDE>のヴォーカルである<ISHIYA>さんにメールインタビューを依頼し、実現することになりました。

世界的に考えてもハードコア界を代表するヴォーカリストです。当然ながら十代から聞き続け、相当に影響を受けている私としてはメールとはいえ緊張します。

更にISHIYAさん自身も普段インタビューされる側だけでなく、する側のお仕事をしていたりするので尚更です。

それでは、ごゆっくりと貴重なインタビューをお楽しみ下さい。

Interview. ISHIYA(FORWARD/DEATH SIDE)  Interviewer. HIROMI ENDO(SIDEMILITIAinc.代表)

 

・FORWARD official web site

・FORWARD official Facebook

・ISHIYA official Twitter

 

● この度はインタビューを了承して頂き感謝しております。

以前に聞かれたことも有る質問も含まれていると思いますが、音楽専門のサイトでは無く、<ISHIYA>さんの音楽を初めて知る方も多くいらっしゃると思いますのでご理解を。宜しくお願い致します。

 

  ISHIYA

よろしくお願いします。

 

● 先ずは数年前に<DEATH SIDE>がライヴすると告知されて、相当に全国のハードコアファンたちに衝撃が走りました。

その後も海外公演含めて、本数は少なめですが定期的にライヴが発表されております。

「復活」「再始動」「再結成」「活動再開」など色んな言葉が有りますが、現状ではどういった表現が一番正しいと<ISHIYA>さんは思いますか?

細かなニュアンスでしょうが、どう受け取って良いのだろうか?と気になっていたことです。

今までに沢山の「メッセージ:言葉」を伝えてきたヴォーカルだからこそ、最初にお聞きしたかった質問です。

 

  ISHIYA

2010年に、解散以来初めて<CHELSEA>の命日に毎年やっているライブにシークレットでDEATH SIDEをやったんだけど、2015年にやり始めた理由としては、その年のCHELSEAの命日ライブが確か月曜日で、お客さんもこないかも知れないし、そうすると『CHELSEAのことを忘れてしまうんじゃないか』という思いもあって、<DEATH SIDE>をやってみようかと思ったんだよね。

久しぶりにやってみると、<CHELSEA>のつくった楽曲っていうものの素晴らしさを改めて認識して『これは残していかなきゃいけないんじゃないか』と思うに至った。

幸いオファーも、昔からの親友であるカツタの企画や、俺が世界で一番好きなバンド<CHAOS UK>のJAPAN TOURなどもあって、それ以外にも海外からのオファーなどが多く、ニュアンスとしては、チェルシーの命日以外にライブをやったら止まれなくなったって感じかな?

今、決まっているライブは2017年4月のオーストラリア・ツアーだけだけど、それ以外今後のことは未定だけどね。

 

※CHELSEA……DEATH SIDE/PAINT BOXのギタリスト。HARD COREの音楽性の中に、一般的には対局だったHEAVY METAL的なギターソロや叙情性を楽曲に取り入れ、世界的に影響を与えた方です。2007年に永眠されました。

※カツタ……鉄アレイなど様々なバンドに在籍したベーシスト。イベントやショップなど幅の広い活動展開されております。

※CHAOS UK……1979年に結成されたイギリスのバンド。DISCHARGEやDISORDERと共に現在のHARDCORE・PUNKといわれる音楽の基盤を築き上げた存在です。

 

● 最近でも<Hi-STANDARD>の復活や新譜リリースなど話題になりましたが、

バンドが様々な理由で活動停止した後の再度活動をスタートさせることは、メンバーにとっても勿論んですが、ファンにとっても嬉しいことでも有り、且つナイーヴなことだと思います。

上記の質問の回答にも因りますが、<DEATH SIDE>だけでなく国内外でも過去に伝説的なバンドが解散し、活動再開した前例が有ると思います。

その時に<ISHIYA>さんが個人として思う再度動き出したバンドに対する善し悪しの基準って有ったりしますか?

 

  ISHIYA

ライブを観て判断する。それしかない。

レコードやCDとかの作品はごまかしが効くけど、ライブだけは各バンド色々あるんだろうけど、どんな思いだろうとそれはライブに反映されるから、ライブを観て判断する。

ライブが心に響くか響かないか。それが全てだと思う。再結成だろうが現存するバンドだろうが全てに言えることではあるけど。

 

● 80年代にも多少は存在しましたが、アイドルがヘヴィメタルをする程に今の時代は更に音楽のクロスオーバー化が進んでいると思います。

実際のクロスオーバーとは違い、今は「組み合わせの意表を考えた販売手法の一つ」だとは思ってますが。

そんな現代でも、未だにメジャーのフィールドでは僕が想う本当のハードコア・バンドがテレビに出演することは有りませんし、実際にメジャーでは存在すらしていないとも思えます。

音楽の激しさと云う側面では近い80年代末~90年代初頭にかけて盛り上がった「ヴィジュアル・ロックバンド」のシーンは未だにメジャーフィールドで活躍していたりします。

そのヴィジュアル・シーン初期のバンドメンバーがライヴハウスに通い、観に行っていたのが<DEATH SIDE>含めた日本の初期ハードコアバンドだったと思います。

実際に以前、僕が<GLAY:HISASHI>さんとお酒を呑む機会が有った時も、可成りコアな日本のハードコアに夢中だったらしく、二人で長い時間盛り上がった記憶が有ります。

僕にとって最もリアルタイムで体感したかったシーンの一つは「80年代中~後期の日本のハードコア・シーン」です。

僕はほんの少しだけ産まれるのが遅かったです。多少は体感してますが。

先ず、本当のクロスオーバー時代の渦のド真ん中にいた筈の<ISHIYA>さんにお聞きしたいんですが、振り返るとあの頃は一体どんな感じだったのでしょうか?

 

  ISHIYA

怖かったよ。それもとてつもなくね。でも、なぜかライブに行ってしまうんだよね。

理由はよくわからないのが正直なところだけど、確実に言えるのは、そのころのHARDCORE・PUNKより凄いものは、俺の知っている世の中には存在しなかった。

あれほどの緊張感を持って、行く場所なんてなかったんじゃないかな。

そして、その人たちの中にまで入ると、とんでもない愛に溢れた人たちだったんだよね。

愛に基づいて生きている人たちだから、守るもののために怖かったんじゃないかなと、最近思うようになってきた。

ちゃんと覚悟を決めて、腹をくくって生きていかないとダメだってことが、当時のシーンに通うことで自然と身についていったのかもしれない。

 

● 先程に続く質問です。

<ISHIYA>さんは海外でもツアーしていらっしゃいますが、ハードコアのポピュラリティーとは難しいのでしょうか?

そもそもポピュラリティーを得たいと思ってるバンドはいなんでしょうか?

長く聴き続けてるファンとして、そしてラジオをしている身としては、もっとテレビやラジオで大暴れして巨大な会場でライヴをするハードコアバンドを沢山観たいって思ってしまいます。

実際に知る機会が無いだけで、僕のラジオやイベントで知り、ファンになった方は沢山います。

政治的メッセージが以前よりも注目される昨今ですが、ずっとそれを続けていた音楽シーンだからこそ勿体無く感じてしまいます。

 

  ISHIYA

ポピュラリティーとか、そんなたいそうなことじゃなくて、色々な人間に観て欲しいと思ってる人間はたくさんいると思うよ。

でも、それには色々なことがあって揉めたり、嫌な思いをしたり、我慢させられたりとか、到底納得できないことが多いんだよ。

オーバーグラウンド・シーンで活躍することよりも、ほかに自分たちの納得のいくやり方で人に伝えたいんだと思う。

海外だと、<MISFITS>や<DANZIG>、<RAMONES>なんてBARで呑んでいれば普通にかかっているし、一般客も声を出して歌ったりもしてる。文化の違いによるところも大きいんじゃないかな。

日本は歌謡曲がメインの世界だし、海外はロックというもの自体がもっとポピュラーだよ。

実際、日本のテレビに出て人気のあるバンドよりも、海外での知名度が高い日本のHARDCORE・PUNK BANDは沢山いるしね。

意識の問題じゃないのかな。

個人的には、バンドでオーバーグラウンドに出たいとは思っていない。

本気の人間同士は観客であれ演奏側であれ、巡り会うはずだと思うから、あんまりそのへんは気にしていない。

 

● 先程の質問同様に此処数年、<SEALDs:シールズ>などメッセージを強く表に打ち出すグループが注目されていたりします。

単純に僕自身も選挙など政治関連に興味を持った切っ掛けは「日本のハードコア」だったりします。

なので個人的にはSEALDsの活動に関しては『今更?ハードコア・バンドがずっと訴えてるじゃん』って思いましたが、一般的には<SEALDs>で興味を持った方は沢山いると思います。

厳密に云えば思想やメッセージの細かな違いは有りますが、政治的/平和的な活動はずっと日本のハードコアがし続けたことだと思います。

実際にラジオやイベントでも大好きな<FORWARD>の楽曲「MURDERED」を流して、沢山の方がリリックの内容に驚き、共鳴していたりしています。

捉え方によっては今の時代は日本で初めてハードコア・バンドが誕生し易い環境になってるのでしょうか?

そしてハードコア・バンドが活動し易い環境になっているのでしょうか?

 

  ISHIYA

え?そんなことしてくれてるの?ありがとう!それは嬉しい(笑)。

今は若者たちに流行っている音楽としてはHIP-HOPなんだと思うんだけど、HIP-HOPもメッセージはPUNKと変わらないことを歌っている部分もたくさんあると思うので、ある意味それはPUNKなんじゃないのかな?

時代の流れがあるから、きっかけはもの凄く大切で、それを<SEALDs>の若者たちが、HIP-HOPの音楽みたいにリリックをのせて伝えたのは素晴らしいことだと思う。

それで気付いた人たちが興味を持ったなら、いつかはHARDCORE・PUNKと出会うときがくるかもしれないんじゃないかな。

まぁ音楽が激しいから、いわゆる一般的な音楽、例えばJ-POPみたいな音楽が好きな人には理解するのは難しいとは思うけど、さっきも言ったように本気で何かを考えたり、本気で行動してる人間とは巡り会うはずだ思っているからね。

 

● 昔の話をお聞きします。

僕は小学生時代に歌謡曲や海外のポップス含めて、勿論、音楽的な知識は全く無いので無意識でしたが、歌謡曲で分かり易く云えば<松田聖子>さんよりも<中森明菜>さんの曲の方が好きでした。

特に思い返して印象深いのは7歳の時に聞いた<薬師丸ひろ子>さんの「セーラー服と機関銃」だと思います。映像含めてあのマイナーコード感が暗くて/寂しくて衝撃的でした。

ラジオやテレビで流れる音楽でテープに録音する位に気に入っていたのは「メロディーが暗くて、リズムが早い楽曲」でした。

それで中学に入り<METALLICA>を知った時に『こんなに暗くて速い曲がこの世の中に有るなんて!!』となり、其処から<DEATH SIDE>や<X(JAPAN)>、<SxOxB>や<NAPALM DEATH>と繋がっていったりしました。

<ISHIYA>さんが最も古く記憶に残る音楽を意識的に好きになったのは、何方の何て楽曲ですか?

そして格好良いだけじゃなく自身で『バンドをやろう!!』と切っ掛けとなったのは、何方の何て楽曲ですか?

共に理由や時期などを含めて教えて貰えますか?

 

  ISHIYA

小さいころは子ども向けのアニメソングとかを、ソノシートで聞いていた感じで、テレビ番組で色んな音楽が流れてて、ドリフターズの番組とか観て音楽好きになったかもしれない。

地元の暴走族とかの先輩繋がりで、<アナーキー>を小学生のときに聞いたのがPUNKに目覚めた時じゃないかな。地元の隣街に「アナーキーの逸見さん」が住んでたし、沿線に<アナーキー>が住んでたから身近だったしね。

それでPUNKというものを知って『俺でもできる』って思ってバンドをやりたいと思った。

曲とかじゃ無かったと思うよ。その時に自分が持っていた「憤り」にリンクしたのがPUNKだったと思う。

誰でもできるのがパンクのいいところだからね。俺なんかができるんだからさ(笑)。

本気でバンドをやり出したのは15~6歳で、HARDCORE・PUNKを聞いてからだね。<DISCHARGE>の凄さは衝撃的だった。

 

※ アナーキー……1978年に結成された日本のバンド。最も早い段階でメジャーシーンに登場したPUNK BANDだと思います。ファーストアルバムに収録した楽曲が過激過ぎて回収騒ぎになっていたりもします。

※ DISCHARGE……1977年に結成されたイギリスのバンド。楽曲だけで無く、容姿/姿勢/思想を含めて世界で最もHARDCOREシーンに影響を与えてるバンドだと思います。

 

● ロックが海外で産まれたのは事実です。だからこそ日本から海外への進出/憧れはどうしても出てくると思います。

実際に60~70年代のGSやニューロック勢では海外でリリースした日本のバンドもいましたし、80年代では<YMO>など海外アクトに影響を与える様なグループも現れました。

どんな時代も海外進出を意識して日本のミュージシャンは頑張っていたと思います。

しかしながらハードコアに関しては「テープ・トレード」などレーベルやマネージメントでは無く、ファン同士の繋がりで世界中に日本のハードコアバンドが知れ渡り、影響を与えました。

今の時代ではネット等で簡単に発信することだけは簡単になりましたが、あの時代では本当に難しかったのにも関わらず、本人が知らぬ間に<FORWARD>や<DEATH SIDE>はファン同士の情報で広がり続け、未だにハードコア・ファンたちを興奮させている訳です。

何度も聞かれていると思いますが、海外の会社が制作する日本のハードコアシーンを追った映画の話も有りますし、今一度質問します。

何故、此処まで日本のハードコアが世界でも稀なオリジナリティーを持てて、リスペクトを得続けていると思いますか?

僕個人は海外のハードコアよりも「喜怒哀楽」の全ての要素が過剰で、想いが深く感じれるからだと思っていたりします。ヴォーカル/演奏含めて全てが奇抜では無く、過剰過ぎるんだと。

 

  ISHIYA

昔から日本のHARDCORE・PUNKの人間たちは、海外と手紙のやりとりなんかをして繋がっていたよ。WORLD PEACEコンピレーションに入った<THE EXECUTE:レミーさん>なんかは、ドイツのINFERNOとカップリング出したりとか、色々やっていたと思う。

俺の尊敬するHARDCORE・PUNKの先輩の言葉で、『あのハードコアのリズムっていうものは人間本来が持つリズムなんだ。だから世界に浸透していて無くなることはない。』というようなことを言っていたんだけど、まさにその通りだと思う。

人間の感情の奥底にあるリズムに、あのハードコアの速いビートというものがあって、それは無くなるものではないんじゃないかな。

日本のHARDCOREが世界に広まったのは、創世記の先輩たちのバンドの「オリジナリティ」と「レベルの高さ」が、世界の中でも群を抜いていたからだと思う。

それを観て、聞いて育った人間たちにもその影響は強く残っていて、世界から見ても珍しい独自のスタイルが出来上がったことが、広まっている原因じゃないかなと思う。

でも、実際のところはどうしてなのかは正直わからないけどね。

 

※ WORLD PEACEコンピレーション……多分1984年に海外からリリースされたコンピレーションアルバム「PEACE WAR」のことだと思います。世界中のHARDCORE・PUNK BANDが収録されており日本からは「GISM」と「THE EXECUTE」 が参加しております。

※ THE EXECUTE……80年代初頭の日本のHARDCORE・PUNK創世記に活動したバンド。後にGASTUNKを結成するメンバーも在籍しています。CHELSEAさんも後期にギターでは無くドラムで参加していたらしいです。

 

● 先程も名前が出ましたが<METALLICA>は今年新譜リリースを発表し、世界中で話題になっております。

1981年に結成し、今年で35周年です。メンバーの最年長であるヴォーカル/ギターの<JAMES HETFIELD>は現在53歳です。

今では時の流れと共に自然に今の年齢になりプレイしている筈ですが、結成当時は売れる/売れないは別としても53歳まで此処まで激しい音楽をしているとは思ってなかった筈です。

若いファンたちは彼等の音楽を聞いてどう思うか?など、42歳の僕は到底分かりませんが、未だにヘヴィで有り続け、最高の音楽を創り続けていると思います。

ファンだからって訳で無く、ファーストも新譜も格好良さの基準値は同等だと思います。

そんな<METALLICA>にはインタビューしたことは有りませんが、確実に今の方がデビュー時の勢いと引き換えに本当のヘヴィは何たるかを理解している筈です。

<ISHIYA>さんも同様に80年代から活動を続けております。

ハードコアのバンドにヘヴィと云うワードは余り使わないと思いますが、80年代には持ってなかったが、今では理解したヘヴィな作品を創る武器って何だったりしますか?

 

  ISHIYA

経験による感覚の変化かな?

基本的に、ヘヴィな音をわざわざつくっているわけじゃなくて、自然発生している音なり言葉なりだったりするので、そのもの自体を作る人の人間によるものだと思う。

あと、ごめんね、METALLICAは1曲しか知らない(笑)。

 

● 「ヘヴィ」についてもう一つ質問します。

サウンドの表面的な部分だけでなく、音楽をヘヴィに感じることは多々有ります。

僕だったら国内だったら<はっぴいえんど>や<高田渡>など、そう感じています。

サウンドの質感や楽曲の構造もそうですが、リリックがやはり凄いなと思います。

<ISHIYA>さんに強い影響を与えた一般的にハードコアから最も遠く感じるであろうミュージシャンは誰だったりしますか?

特にどんな楽曲で、どの部分にそう感じましたか?沢山いらっしゃると思いますので、今ふとインスピレーションで頭に浮かんだ方で結構ですので教えて頂けますか?

 

  ISHIYA

中学生のときに「校内暴力」というものが俺たちの年代から始まって、社会現象になっていたんだよ。

その時にテレビで「金八先生」ってドラマがやってて、それに出ていた<友川カズキ>さんが、俺にとってものすごく衝撃的だった。

金八先生でやっていた楽曲は「トドを殺すな」と「犬」って曲だったけど「生きているって言ってみろ」って曲に、心を打たれない人間なんていないんじゃ無いか?って思うぐらい、とてつもない衝撃を今でも受けているよ。

俺の人生に衝撃を与えてくれた音楽は、PUNKと友川さんだね。まぁ、友川さんはHARDCOREから最も遠いとは全く思わないけどね。

 

※ 友川カズキ……1974年にデビューしたフォークシンガー。秋田弁で歌われる強いメッセージが世代を問わず高い評価されている方です。弊社のお客様にはお馴染みの高田渡さんや遠藤賢司さんとはまた違ったヘヴィな楽曲が多いアーティストです。現在では再発盤やベスト盤も有るので手に入り易いですよ。

 

● 本気かどうかは分かりませんが<KISS>のメンバーも『自分達が亡くなっても、KISSは継続していってほしい』と云うニュアンスでコメントしていたりします。

つまり永遠にその都度、新たなメンバーを加えて<KISS>が存続していく考えです。

新たな楽曲発表は難しいかも知れませんが、あくまでもオフィシャルの<KISS>と云うバンドが実際にライヴバンドとして受け継がれていく考えです。

受け手としてはカヴァーバンドとは違い、オフィシャルだから喜ばれる可能性も有ります。

つまり「落語」の世界観に近いと思うんです。名前を受け継ぎ、語り継がれてる小咄を伝承していく流れ。

落語に比べてロックバンドが誕生してからの歴史はまだ浅いです。本当にバンドでそれが成立すると思いますか?

ミュージシャンとして100年後にも楽曲と云う意味では無く、メンバーが認めた人選で<FORWARD>や<DEATH SIDE>がバンドとして存続し、引き継がれていくとしたら、どう思いますか?

 

  ISHIYA

何とも言いようがない(笑)。

正直全くわからない。

 

● 一問一問がメールの為、ニュアンスを伝わる様に長い質問で面倒だったでしょうが、お付き合い頂き有り難う御座いました。

過去のインタビューでも、これだけ質問を考えるのに難しかったのは前例が余りないですが(笑)本当に光栄でした。有り難う御座います。

今後の<FORWARD>の活動などを含めて、<ISHIYA>さんのスケジュールなどを教えて頂けますか?

あと、リスナーやお客様に本当に沢山質問されるのですが、先日は「LP」での海外再発は有りましたが<DEATH SIDE>の何度目かの「CDでの再発」は今後実現するんでしょうか?

 

  ISHIYA

<FORWARD>のライブやリリース情報はホームページか、メンバー各個人のTwitterやFacebookでわかると思う。

取り敢えず今度「STRAIGHT UP RECORDS」から発売される「MOTORHEAD:トリビュート・アルバム」に参加するので11月25日にレコーディングを行なう。

「BREAK THE RECORD」からもシングルの発売予定もあるし、来年のツアーやそのほかの音源に関しても控えているものがあるから、近日中には発表されると思うよ。

<DEATH SIDE>に関しては未定。前回CDをリリースしたときも、かなりのプレミアとかがついていて、買うのがアホらしい値段だったので出したんだけど、またそういうことはあるかもしれないし、何とも言えない。メンバーと相談してみようかなぁ?(笑)。

でも、発売するとしたら<DEATH SIDE>が活動している今なのかな?とも思わなくはない。

 

● 恐れ多く、且つ緊張で自分のイベントには声を掛けれませんが(笑)新潟でも近い内に是非ライヴを開催して欲しいなと願っております。

毎回、最後に聞いてる個人的な質問ですが、今回のインタビューの感想を少しでも良いのでお聞きしても宜しいですか?

 

  ISHIYA

新潟も暫くライブやってないから行きたいとは思っているよ。声かけてくれれば、みんなで話してみるよ!

インタビューって、あんまり受けた記憶がないんだけど、ここ最近になってやっとちょこちょこやってる気がする。

今回は俺みたいな人間にインタビューしてくれてありがとう。

新潟の銀ダラが喰いたい!!!

寺泊の浜焼きが喰いたい!!!

 

FORWARD「AGAINST THEIR INSANITY」

01. 戦争の放棄
02. IGNORANT ASSHOLE
03. SACRIFICE
04. PALESTINE
05. IMAGINE
06. MURDERED
07. COWARD
08. WHAT WOULD YOU DO?
09. REBEL AND PROGRESS
10. 覚悟

日本を代表するハードコアバンド「FORWARD」の最新アルバムがボーナスディスク付き2枚組で登場。

ボーナスディスク含む全12曲収録。

「DEATH SIDE」でもお馴染みのISHIYAさんがヴォーカルを務め、結成から20年経っても進化し続ける格好良さで、メッセージも楽曲も超強力です。

 

 

 

SIDEMILITIA inc.ONLINE STORE